『初恋DOGs』が象徴する清原果耶の現在地 愛子は今だからこそ演じる意味のある役に

『初恋DOGs』が象徴する清原果耶の“今”

 “サクラファースト”の生活を送る愛子の目の前に現れた2人の男性、快(成田凌)とソハ(ナ・イヌ)。愛子は、獣医としての名刺を快から受け取ってもスンッとしていたり、ソハとの横浜観光を前に「感性が合わなそう」と留美子(宮澤エマ)に本音を漏らしたりと、恋愛には消極的。ただ、それは愛子が自分の気持ちに素直になれないだけということが、第2話のラストで明らかになる。実は愛子は幼い頃に快と出会っており、ソハが「初恋」とはっきり言っているように、無意識のうちに興味のないふりをしてしまっているという見方へと変わっていくのが、第2話での“マジック”。そうすると、第1話での快と再会した時の愛子の表情や「あなたには興味はないです、1ミリも」と言われた際に愛子の眉がピクリ動くことへの捉え方も不思議と変わってくる。


 それぞれの考え方や価値観が少しづつ変わっていくのが、今後の物語の展開なのだろうが、いまだ愛子が恋愛観をこじらせているのは事実。少しベクトルは異なるものの、成田凌との共演作である映画『まともじゃないのは君も一緒』(2021年)も“普通を知ったかぶる女”というなかなかにこじらせた役を演じていた。そこでの小気味いい会話劇や表情豊かな清原の芝居も印象的だが、先生と生徒を演じていた成田と清原が『初恋DOGs』では幼なじみの関係性になっているというのは、やはり清原が以前より大人の役を演じる段階に入っていることなのだろう。映画『片思い世界』(2025年)でも“3姉妹”の中で素直になれない末っ子ながら、アクティブで時に感情的なさくらを好演していた。

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 『初恋DOGs』で清原が演じる愛子は、こじらせ女子(これまで)と大人なクール女子(これから)が絶妙な塩梅で交わった、今の清原だからこそ演じる意味のある役と言えるのではないだろうか。

参照
https://realsound.jp/movie/2025/06/post-2072100.html

『初恋DOGs』の画像

火曜ドラマ『初恋DOGs』

TBSドラマチームと韓国の制作会社STUDIO DRAGONが初の共同制作を務める、愛犬同士の一目ぼれから始まるラブストーリー。離婚訴訟を専門に手掛ける敏腕弁護士・愛子、獣医・白崎快、韓国からやって来た御曹司ウ・ソハの奇妙な三角関係が描かれる。

■放送情報
火曜ドラマ『初恋DOGs』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:清原果耶、成田凌、ナ・イヌ、萩原利久、宮澤エマ、なだぎ武、野呂佳代、永瀬莉子、NOA、円井わん、坂井真紀、深田恭子、岸谷五朗
原案:『DOG한 로맨스』(Studio TooN・LINEマンガ連載中)
脚本:金子ありさ
演出:岡本伸吾、ノ・ヨンソプ、伊東祥宏
プロデューサー:宮﨑真佐子、荒木沙耶、車賢智
協力プロデューサー:キム・ギョレ
共同制作:STUDIO DRAGON
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/hatsukoi_DOGs_tbs/
公式X(旧Twitter):@hatsukoi_dogs
公式 Instagram:hatsukoi_dogs
公式TikTok:@hatsukoi_dogs

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