清原果耶×成田凌×ナ・イヌ『初恋DOGs』が“好き”になってしまう3つのポイント 

『初恋DOGs』が“好き”になる3つのポイント

 犬が好きだ。普段は猫派を語っているのも、現実的に今は犬が飼えないことからくる「すっぱいブドウ」理論。手が届かないからこそより尊く感じられ、街で散歩中の犬を見つけると目尻が下がりっぱなしになる。あわよくば「なんてお名前ですか?」なんて話しかけたくなるほど。

 それがキリッとした黒柴が“サクラ”なんてイメージにピッタリな名前だとわかったときには「好き!」とテンションが上がり、真っ白でモフモフなゴールデンドゥールに“将軍”なんて意表を突く名前がつけられているのも、それはそれで「好きッ!!」となってしまう。

 この犬が好きだという気持ちは、まさしく本能。人が何かを好きになるとき、実は理由なんてものはすべて後づけなのだろう。本能的に惹かれるものには心のままに動いてみてもいいのではないか。人生は思っているよりもずっと短いのだから。そんなことを思い出させてくれるドラマが始まった。火曜ドラマ『初恋DOGs』(TBS系)である。

犬の一生から気づかされる今この瞬間を楽しく生きること

 このドラマが、視聴者の「好き」を突くポイントは大きく3つある。1つ目が「犬」、2つ目が「韓国ドラマ的サスペンス」、そして3つ目が「こじらせ大人たちの三角関係」だ。では、まず「犬」から。なにはともあれ『初恋DOGs』というタイトル通り、この物語は犬の存在抜きでは始まらない。

 弁護士の花村愛子(清原果耶)の愛犬・サクラ(mie)と、動物病院の院長・白崎快(成田凌)の相棒犬・将軍(レオ)は、散歩中に偶然出会ってドラマチックに惹かれ合う。その出来事は飼い主である2人にとっても、それは運命的な「出会い」となるのだけれど、素直に恋に落ちた犬たちに対して、「1ミリも興味ないです!」「こっちもです!」「言い過ぎました」「こちらこそ」なんてやり取りをしているのを見ると、人間はなんともめんどくさい生き物だと苦笑いせずにはいられない。

 そうした飼い主たちのやりとりをよそに、ピッタリと寄り添うサクラと将軍のかわいらしさったらない。ペットである彼らは、自分の意志では動きまわることは難しい。だから彼らが一緒の時間を過ごすためには、どうしても飼い主たちが行動をともにしなければならない。

 犬の寿命は人間よりずっと短い。犬にとって1日1日がどれほど貴重なものか。そんな事実にハッとさせられるのと同時に、私たちの人生だって永遠ではないことにも気づく。どうしたら少しでも愛犬たちが楽しく過ごすことができるのか。そんなかわいい愛犬たちの一生に思いをはせながら、私たち人間にとってもかけがえのないはずの日々をどう生きるのかと考えさせられるのだ。

韓国ドラマ好きにはたまらない空気と深まる犬の謎

 かわいらしい犬たちを見つめるほのぼのとしたストーリーと並行しているのが「韓国ドラマ的サスペンス」。第1話の冒頭からソウルの道を高級車で走るウ・ソハ(ナ・イヌ)の姿が印象的に描かれた。「坊っちゃん」と呼ばれるソハは、新興財閥・ウロアグループの若き御曹司。そんなキャラクター設定も、韓国が舞台になるとすんなり受け入れられるのも実にニクい。

 到着したのは、明らかに名家だとわかる豪邸。そこに集まった親戚たちとは不仲な雰囲気で、寝込んでいる祖母はソハが到着するなり呼び寄せるほどに買っている。相関図には出世争いには興味がないソハと書かれているが、その争いからは逃れられないことがうかがえる。ここから財産を巡るドロドロ愛憎劇が始まるに違いないと、韓国ドラマ好きならワクワクしてしまうような展開だ。

 「頼みがあるの」と祖母がソハに耳打ちする言葉は聞こえない。だが、カメラが収める写真立てに写るのは、あの「将軍」とそっくりなゴールデンドゥール。おそらく「将軍」が財閥グループの中で重要なキーを握っているのだろう。だが、なぜその「将軍」が1年前、快のもとに迷い犬として現れたのか。謎がこれから解明されていくというのも面白みのひとつと言えうだ。火曜ドラマという枠から、本場の韓国ドラマのようなドロドロさはないと信じたいが、果たしてどのような展開が待っているのか。とにかく犬が危険な目に遭わないことだけを祈りながら見守りたい。

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