横浜流星×清原果耶、3年ぶり再共演で感じたお互いの成長 「一緒に作品を作っていく感覚」
水墨画との出会いで人生が一変していく若者の姿を描いた砥上裕將の小説『線は、僕を描く』が、小泉徳宏監督ら『ちはやふる』の製作チームによって映画化。水墨画と出会い、その世界に魅了されていく主人公・青山霜介役で主演を務めたのは横浜流星。水墨画の巨匠・篠田湖山の孫で、霜介にライバル心を抱くようになる篠田千瑛を清原果耶が演じている。『愛唄 ー約束のナクヒトー』(2019年)以来、3年ぶりの共演となった横浜と清原に、映画や2人の関係性について話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
清原果耶「初心に帰れた気がした」
ーーまず、完成した映画を観ての率直な感想を教えてください。
清原果耶(以下、清原):どうでした?
横浜流星(以下、横浜):編集の技術もそうですし、劇伴や挿入歌、音の使い方など全てのレベルが高いところにあって。観ていて温かくなりましたし、それでいて爽快感もあって。ものすごく物語に入り込んで観ることができて、あっという間でした。どうでした?
清原:私もテンポ感、作品の疾走感みたいなものにすごく飲み込まれました。一緒に駆け抜けた時間が蘇ってくるというか。千瑛という役を演じていたこともあって、観終わった後にすごく勇気をもらえて、初心に帰れた気がしました。頑張ること、ひたむきに向き合い続けることってなんて素敵なことだったんだろう、ということを思い出せたというか。そういう感覚になりました。
ーーこの作品に限らずですが、ご自身が出演している作品って客観的に観れるものですか?
横浜:僕は観れないです。
清原:自分の演技とかが気になったりするからですか?
横浜:それもあるし……あとはやっぱり撮影時のことも蘇ったりするので、純粋に物語を100%楽しめることないかも。それはどの作品もそうですけど。
清原:私も基本的には客観的に観れなくて。「私、ここでこういう芝居してたんだ……」とか「こういう動き方してたんだ……」とか、自分の演技の細かいところがどうしても気になっちゃうんです。“作品”として観れることって少ないんですけど、今回の『線は、僕を描く』に関しては、比較的客観視できた気がします。
ーーそれはどういう理由で?
清原:やっぱり霜介や千瑛たちと同世代なので、そこは大きかったかもしれません。それぞれに悩みを抱えている若者同士が励まし合って前に進むというストーリーに単純に心が動いて、客観視できたんだろうなと思います。
横浜:自分が参加していないところはいろいろ楽しめる部分はあるかも。自分が出ているパートは、毎回反省の方が多いです。
清原:うん、確かに。
ーー今回の映画はコロナの影響で撮影が延期になったりと制作面では困難もあったようですね。
横浜:もともと予定していたスケジュールから延期になって、1年ずれてしまったんです。1年延びてしまうと、自分のスケジュールだったり心境の変化もあったりして、できないだろうなと思っていたんですけど、プロデューサーの方から熱い思いが込められた手紙をいただいて。そこで「この作品は絶対に作りたい」と思うようになりました。それぐらい自分の中での1年は大きかった。ただ、もしそれがなかったら、果耶ちゃんが千瑛をやっていなかったかもしれないので、そういう意味ではすごくポジティブに捉えています。
ーー清原さんは『ちはやふる -結び-』(2018年)以来の小泉監督とのタッグとなりますね。
清原:『ちはやふる』の撮影時はまだ高校生だったんです。あのときから成長したなと監督に思われたい気持ちがあったので、すごく緊張しました。『ちはやふる』のときはキャストも多かったし、私は途中からの参加だったので、監督と話す機会もそんなに多くはなかったんですけど、今回の千瑛は霜介にとっても重要な役どころだったので、千瑛のことを監督とちゃんと話し合いながら、深めていきたいなと思っていました。