中村アンと小澤征悦の掛け合いがとにかく面白い 『こんばんは、朝山家です。』は名作の予感

また、賢太と朝子の掛け合いがとにかく面白いのも、本作の魅力である。たとえば、賢太が朝子とともにインタビューを受けていた時、「いつもこんな感じなんですか?」と聞かれると、賢太は悪気なく「いつもはもう少し酷いんですけど」と回答。すると、すかさず「黙って」「黙れ」と朝子からのツッコミが入るのだ。そこで言い返すでもなく、すぐにシュンとなるのが賢太のかわいいところ。
さらに、賢太と晴太は父と息子というよりは、兄弟のよう。「酷いね。ママの言葉遣いは酷い!」と賢太が晴太に言うと、「酷い! 酷い!」とコールが始まる。賢太も一緒に乗っていたはずなのに、朝子が「黙れ!」とブチギレると、すぐに「晴太、やめなさい」と逃げ腰になる。そのテンポ感がまた最高で、「さすがは小澤征悦と中村アン!」という感じだ。
ちなみに、本作はNHK連続テレビ小説『ブギウギ』を手掛けた足立紳が、自身の連載日記『後ろ向きで進む』をベースに執筆。そのため、ドラマのラストには「このドラマはフィクションです。が、ほぼ実話です」というテロップが入っていた。「家族って、こうだよな」とリアリティを感じるのは、足立自身の実体験をもとにしているからこそ。作中で賢太が脚本を担当した“国ドラ”のタイトル『ムキムキ』も、『ブギウギ』にかけているのだろう。
夫婦喧嘩だけでなく、親子喧嘩、姉弟喧嘩と、罵声が絶えない朝山家だが、観ていて不快になることはまったくなく、むしろクスッと笑えるから不思議だ。まだ放送が始まったばかりなのに、すでにこの家族が大好きになっている自分がいる。
足立紳が自身の連載日記『後ろ向きで進む』をベースに執筆したホームドラマ。“キレる妻”と“残念な夫”という衝突不可避の夫婦が、罵倒と叱責、ときどき愛で、家族の難題を切り抜けていく。
■放送情報
『こんばんは、朝山家です。』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:15〜放送
TVerにて、放送終了後見逃し配信
U-NEXT、Prime Videoにて全話配信
出演:中村アン、小澤征悦、さとうほなみ、小島健(Aぇ! group)影山優佳、渡邉心結、嶋田鉄太、土佐和成、佐野弘樹、竹財輝之助、河井青葉、丸山智己、宇野祥平、松尾諭
脚本:足立紳
原案:足立紳・足立晃子『ポジティブに疲れたら俺たちを見ろ~ままならない人生を後ろ向きで進む~』(辰巳出版)
演出:足立紳、小沼雄一、安村栄美
チーフプロデューサー:山崎宏太
プロデューサー:寺川真未、宮本日奈美、加藤伸崇(S・D・P)、坪ノ内俊也(R.I.S Enterprise)
協力プロデューサー:足立晃子
ビジュアル撮影:浅田政志
タイトルロゴ:寺内暁
制作協力:S・D・P
制作著作:ABCテレビ
©ABCテレビ
公式サイト:https://www.asahi.co.jp/asayamake/
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