倉悠貴、2度目の朝ドラで担う“変化の役割” 『あんぱん』における戦後の希望に

映画シーンにおける彼の活動は、映画初出演にして主演を果たした『夏、至るころ』(2020年)からのこと。あれからまだ5年も経っていないが、相当な数の作品に参加してきた。

肩の力の抜けたコメディテイストの作品から、『樹海村』(2021年)や『N号棟』(2022年)といったホラー、『市子』(2023年)のようなヒューマンサスペンスなど、多種多様な作品への出演を倉は重ねてきた。「あの映画にも倉悠貴、この映画にも倉悠貴」という状態が長く続いている。これはつくり手たちからの信頼度の高さの証だといえるし、彼が器用な表現力の持ち主だという証でもあるだろう。主要キャラクターのひとりを演じた『透明なわたしたち』(2024年/ABEMA)や『ガンニバル』シーズン2(ディズニープラス)でのパフォーマンスも素晴らしかった。
さて、こうして短期間に多くの経験を積み上げてきた倉は、2度目の「朝ドラ」という大舞台でどんな役割を担っていくのだろうか。ここで彼が演じる岩清水信司は、『おちょやん』で物語の中心に立つことも多々あったヨシヲとはまったく違うポジションにある。ヒロインが新しい環境へと進むその導き手となる存在であり、支える存在だ。彼と東海林こそが『あんぱん』の描く“戦後”の世界の入口をつくったといえるだろう。しばらく続いていた重苦しいトーンを一変させたのだ。岩清水もまた、『アンパンマン』の誕生に影響をもたらすのだろうか。
■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK






















