『あんぱん』鳴海唯の“キャラ変”が楽しい のぶの希望にあふれた記者としての道がスタート

『あんぱん』のぶが記者活動に奔走

 そんな戦災孤児の実情を記事にするのぶだが、ありふれた話だと東海林に突き返される。課題はどうやって読者の興味を引くか。追加取材で再び闇市を訪れたのぶは幸男が盗んだものを返しにくる度胸を買われ、八百屋を手伝い出したことを知る。誰もが自分を生かすだけでも必死な世の中で交わされた人情溢れるやりとりに胸を打たれたのぶ。何度もリテイクを重ね、ついには「温度のある記事や」と東海林から認められる。まだまだ改善点はあるものの、のぶの文章から伝わる温度が読者にも力を与えると判断したのだろう。記事は翌日の朝刊に載ることが決まり、岩清水(倉悠貴)も「よかったね、おめでとう」と一緒に喜んでくれた。

 ちょっと変わり者だけど、誰よりも熱い心を持った上司に、温かく自分を見守ってくれる同僚。のぶは女性というハンディキャップはあるが、人に恵まれている。さらにお淑やかで、のぶとは正反対に思えた琴子にも良い意味での裏の顔があることが明らかに。仕事が一区切りついたのぶは琴子に誘われるかたちで飲み屋へ。そこで琴子はカストリを一気に飲み干し、「猫かぶっちゅうと疲れるわ~。こっちがほんとのあたしやき」とのぶに笑いかける。急なキャラ変に驚きつつも、俄然親しみやすくなった。

 琴子は女学校を出たあと花嫁修行に励んでいたが、若い男性はみんな兵隊に取られてしまったため、結婚相手を探しに新聞社に入社したそうだ。そんな琴子にのぶは「うちはもう結婚せんと思う」と打ち明ける。のぶの身の上話を聞き、泣いてくれた琴子。入社動機は全く異なるが、のぶの良き理解者として支えになってくれるのではないだろうか。女性というハンディキャップはあれど、のぶの記者としての道は希望に溢れたスタートとなった。

■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、二宮和也、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、妻夫木聡、阿部サダヲ、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK

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