帰還した瀧昌の胸に飛び込むなつ美 『めおと日和』最終話が描いた“何気ない日常の尊さ”

最終話でも、ほとんどの時間を使って描かれたのは今までと変わらない何気ない日常だ。なつ美と瀧昌は向かい合って一緒に食事をしながら、これまでの日々を振り返る。駅で具合が悪くなり、なつ美を病院へと運んだ瀧昌。思えば、あの時から2人の恋は始まっていたのかもしれない。そして娘を助けてくれた瀧昌に好感を持った篤三(高橋努)の計らいによって夫婦になった2人だが、最初はお互いのことを何も知らない状態で一から関係性を作り上げてきた。

初めて相手に触れた時のドキドキ、一緒にいる時間が永遠に続いてほしいと願う気持ち、相手と仲が良さそうな異性に覚える悶々とした感情、しばらく会えないとわかった時の寂しさ、そして結婚指輪を交換した時の誓い。一つひとつ初めてを積み重ねていく2人の反応は可愛らしくて、おかしくて、時に切なくて。パートナーがいる人は芳根と本田が見せてくれる鮮やかな感情を通して、自分たちが初々しかった頃を追体験したのではないだろうか。
はる江(森カンナ)がなつ美に告げた「大切な人のことをちゃんと大切にするのよ」という言葉は、私たちにも向けられたものだ。大切な人を大切にする。当たり前のことのように感じるが、一緒にいる時間が長くなればなるほどおざなりにしがちだ。

活動弁士(生瀬勝久)が「もしかすると戦争の気配を感じているからこそ、日常の小さな幸せが煌めくように輝いていたのかもしれません」と語るように、なつ美と瀧昌が日々を慈しむのは、それが当たり前ではないことがわかっているからかもしれない。
でも、こうも思うのだ。愛する人と共に過ごす日々を当たり前のものとして享受できるのは幸運なことだと。どうか、これからもその当たり前が続いていきますように。世界中にいるなつ美や瀧昌、深見や芙美子が二度と理不尽に引き裂かれることのない真の平和が訪れることを改めて強く願う。そして願わくば、いつ相手を失うかわからない不安から解放され、一緒にいることが当たり前となった彼らの日常も見てみたい。
西香はちによる同名コミックを原作としたハートフル・昭和新婚ラブコメ。昭和11年を舞台に交際ゼロ日婚からスタートする、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を丁寧に描く。
■配信情報
『波うららかに、めおと日和』
TVer、FODにて配信中
出演:芳根京子、本田響矢、山本舞香、小関裕太、小宮璃央、咲妃みゆ、小川彩(乃木坂46)、戸塚純貴、森カンナ、高橋努、紺野まひる、生瀬勝久、和久井映見ほか
原作:西香はち『波うららかに、めおと日和』(講談社『コミックDAYS』連載)
脚本:泉澤陽子
音楽:植田能平
主題歌:BE:FIRST「夢中」
プロデュース:宋ハナ
演出:平野眞
制作協力:FILM
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
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