『キャスター』残された“謎”と続編の可能性 timelesz 寺西拓人がカギを握る襲撃犯とは?

すでに登場したキャラクターで言うと、『ニュースゲート』編集長の市之瀬(宮澤エマ)が怪しい。市之瀬については、身内(祖父)に反社会的勢力がいると報じられ、疑惑は払拭されたが、最終話で20年ぶりに親と再会するなど、つながりが完全に切れたわけではない。なぜ本橋(道枝駿佑)のパソコンを廃棄しようとしたのか、という疑問もある。不正アクセスの証拠を隠滅するためだとしても、そもそも進藤を陥れた動機が不明である。

これらは、市之瀬が進藤と対立する側にいなければ説明がつかない。進藤のスキャンダルをトップで報じるように指示したのは国定であり、自分の身辺を嗅ぎまわる進藤を番組から外すために市之瀬に命じた可能性もある。単純に番組のために、都合の悪いデータを処分した説もある。可能性は薄いが、市之瀬は親族の反社の人物を介して景山そしてトゥゲザースペースとつながっていて、進藤を排除しようとしたのかもしれない。
個人的に今作で最も刺さったのが、週刊誌や三流雑誌の暗躍だ。南や『週刊リアル』は、テレビ局とは人員も規模も異なるが、水面下での情報収集やブラフによる心理戦で飛び道具的な性格を生かして、『ニュースゲート』の取材班にはできない仕事をしていた。スピンオフがあるなら、清掃員の鍋田(ヒコロヒー)が担う影の情報戦も観てみたい。

ここまで未回収の伏線や謎を振り返ってきが、『キャスター』続編があるかと問われたら、筆者は大いにありえると答える。残された謎は全て、恭子の襲撃犯と新たな犯行にベクトルが向けられており、キャスティングでも期待を持たせる配役になっているからだ。先ごろ『VIVANT』の続編の放送が発表されたばかりだが、『キャスター』の伊與田英徳プロデューサーも続編の可能性を質問されて、ノーコメントとしつつ意欲を示していた。
そう言いつつも、息を吐くように視聴者を煙に巻く『キャスター』なので、続編発表があるとしても、そこには予想外の仕掛けがあるはずだ。「毎日がエイプリルフール」なら何が起きてもおかしくない。楽しみに待ちたいと思う。
テレビ局の報道番組を舞台に闇に葬られた真実を追求し悪を裁いていく社会派エンターテインメント。圧倒的な存在感で周囲を巻き込んでいく型破りで破天荒な主人公・進藤壮一が、視聴率低迷にあえぐ報道番組『ニュースゲート』を変えていく。
■放送情報
日曜劇場『キャスター』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:阿部寛、永野芽郁、道枝駿佑、月城かなと、木村達成、キム・ムジュン、佐々木舞香、ヒコロヒー、堀越麗禾、山口馬木也、黒沢あすか、オクイシュージ、山中崇、相築あきこ、馬場律樹、北大路欣也、加藤晴彦、加治将樹、玉置玲央、菊池亜希子、宮澤エマ、岡部たかし、音尾琢真、高橋英樹
脚本:槌谷健、及川真実、李正美、谷碧仁、守口悠介、北浦勝大
音楽:木村秀彬
主題歌 tuki. 「騙シ愛」(月面着陸計画)
プロデュース:伊與田英徳、関川友理、佐久間晃嗣
演出:加藤亜季子、金井紘
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/caster_tbs/
公式X(旧Twitter):@caster_tbs
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