『めおと日和』芳根京子&本田響矢が見せた“夫婦の顔” 瀬田は10年の初恋に終止符を打つ

瀧昌と同じく、家族というものからは縁遠い人生を送ってきた芙美子(山本舞香)もついに深見(小関裕太)とお見合いすることに。気合いを入れるために着てきたお見合いの場に相応しくない山百合の着物は、幼い頃に母が授けてくれたものだった。「山百合のように一人で立てる女性に」という言葉を残して去っていった母の教えを守り、強く生きてきた芙美子だが、心のどこかではすべて投げ出せる場所を求めていたのではないだろうか。そんな彼女にとって、軽薄そうに見えて心に決めた相手には深い愛情を注ぐ深見の存在は魅惑的ゆえに本能的に避けてきたのだろう。

「あなたの優しさは赤子のおくるみのようです。暖かくて柔らかくて甘ったるくて、気を抜くと寄りかかりたくなる」
1人で立ちたい、でも寄りかかりたい。その葛藤から生まれる色気にクラクラした。結局は深見に伸ばした手を引っ込め、気高さを貫いた芙美子。だが、伯母の光子(筒井真理子)を通じて受け取った「野山に厳かに咲く山百合のように綺麗でした」という深見からの伝言には思わず頬がゆるみ、深見もまた芙美子との時間を思い出しながら余裕のない表情を浮かべる。未だまだ誰にも見せられない顔。けれど、結婚したらいつか互いに見せ合う時が来るのだろう。

結婚は一番近くで好きな人を眺められる特等席のチケットみたいなものなのかもしれない。瀧昌の浮気疑惑が浮上し、女装した坂井(戸塚純貴)をお妾さんと勘違いしたなつ美。だが、瀧昌が溶けてしまいそうなくらいに優しい顔を向けるのはなつ美だけだ。「うん」という砕けた返事を「他の女性には言わないで」と上目遣いで懇願するなつ美の愛らしい表情を独り占めできるのもまた、瀧昌の特権。そんな本来は好きな人だけにしか見せない特別な顔をおすそ分けしてもらっていることに感謝しながら、残り2話を見届けたい。
西香はちによる同名コミックを原作としたハートフル・昭和新婚ラブコメ。昭和11年を舞台に交際ゼロ日婚からスタートする、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を丁寧に描く。
■放送情報
『波うららかに、めおと日和』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:芳根京子、本田響矢、山本舞香、小関裕太、小宮璃央、咲妃みゆ、小川彩(乃木坂46)、戸塚純貴、森カンナ、高橋努、紺野まひる、生瀬勝久、和久井映見ほか
原作:西香はち『波うららかに、めおと日和』(講談社『コミックDAYS』連載)
脚本:泉澤陽子
音楽:植田能平
主題歌:BE:FIRST「夢中」
プロデュース:宋ハナ
演出:平野眞
制作協力:FILM
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
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