『イグナイト』正義と情で揺れる間宮祥太朗たち 医療ミスに潜む真相と“決戦”への布石

『イグナイト』対立する間宮祥太朗と及川光博

 伊野尾(上白石萌歌)の過去に触れた前回のエピソードに登場した、闇サイトの運営者“鳥自爺”こと吉野(濱正悟)。もともとは自動運転を専門としていたシステムエンジニアだったこの男から轟(仲村トオル)は、5年前のバス事故と密接な関係にあるとにらむ企業に関する情報を聞きだす。それは、当時はまだ小さなベンチャー企業だったものの、事故後に政府の後ろ盾を受けて急速に成長した「GIテクノロジーズ」という開発会社についてだ。

 6月6日に放送された『イグナイト -法の無法者-』(TBS系)第8話は、前回浮上した真の黒幕である内閣官房長官の石倉(杉本哲太)を打倒するための外堀を埋めていく、最終決戦の第一段階といったところか。相手となるのはGIテクノロジーズが開発した製品を導入している、政治家御用達の東亜病院。偶然にも伊野尾のもとに、その病院で起きたとされる医療過誤に関しての依頼があり、やる気をみなぎらせた宇崎(間宮祥太朗)は依頼人を焚き付けるために動きだすのである。

 病院の看板ドクターである脳外科の名医・河野(坪倉由幸)による脳動脈瘤の手術を受けた58歳の父親が、その2日後に亡くなったことに疑問を抱いている依頼人の住(堀田茜)。病院側は、手術は成功しており、手術とはまったく関係のないところで偶発的にくも膜下出血が起きた、“運が悪かった”できごとであると説明。その調査に乗りだした宇崎たちは、院内でたまたま桐石(及川光博)に遭遇。彼の妻・綾(映美くらら)が、河野を執刀医にした脳動脈瘤の手術を控えていることを知るのだ。

 手術という、その現場に立ち会ったごく限られた人間にしか状況を知り得ない“ブラックボックス”で発生した医療過誤。さらに熾烈な覇権争いが繰り広げられる大病院で、疑惑の医師は医局のトップに君臨する存在。今回のエピソードで描かれる案件は、本作のリーガルドラマとしての特異性を抜きにしても、医療現場へのリーガル的なメス入れという点でなかなか興味深いものがある。

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