『呪術廻戦 0』『Fate/Zero』『ベルセルク』 本編超え(?)の過去編がすごいアニメ4選

『呪術廻戦』など過去編がすごいアニメ4選

幸せな時間は終わり、壮絶な破局へ 『ベルセルク』黄金時代篇

 過去編の評価が高い作品といえば、『ベルセルク』も外せない。同作は、剣と魔法が入り乱れる世界を舞台としたファンタジーマンガが原作。ダークな世界観と重厚なストーリーによって今でも多くのファンに愛されているが、とくに「黄金時代篇」は同作の魅力が詰まったエピソードだった。

 本編は巨大な剣をふるう主人公・ガッツが異形の魔物たちと戦いを繰り広げていくストーリーで、「黄金時代篇」ではそんな彼の過去が描かれることに。ガッツは元々孤独な傭兵として戦場を駆け回っており、あるとき傭兵団「鷹の団」を率いるグリフィスに強引な勧誘を受け、決闘を経て仲間に加わる。

 不幸な生い立ちをもつガッツは、「鷹の団」を自分の居場所として精神的な拠り所とするように。そして「鷹の団」はますます勢力を増していき、激しい戦いの日々を経て、ミッドランド王国内で確固たる地位を確立する。しかしその先に待ち受けているのは、あまりに残酷な運命だった……。

 ガッツとグリフィスという2人の男が出会い、予想もできない破局へと突き進むストーリーはきわめて完成度が高い。胸躍るバトルシーンに緻密な心理描写など、魅力を挙げればキリがないほどだ。そして最大の見どころは、やはり「蝕」だろう。この世のものとは思えない地獄絵図を表現しており、アニメでもマンガでも類例のないシーンとなっている。

 アニメ版は2012年から劇場版3部作がSTUDIO 4℃によって制作され、その後2022年に劇場版を再編集したテレビシリーズ『ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION』が放送された。テレビ版では「夢のかがり火」などのシーンが追加されており、より原作再現度が上がっている。

【番外編】アニメ史に残るタイムループ! 『魔法少女まどか☆マギカ』第10話

 より広い意味で捉えるなら、『魔法少女まどか☆マギカ』の第10話も一種の過去編と言えるだろう。本編とは別の時間軸ではあるものの、前日譚に近いエピソードが描かれているからだ。

 同エピソードで主役となるのは、暁美ほむら。本編ではクールな性格でありながら、鹿目まどかに対して謎の執着を見せるキャラクターだが、彼女の身に起きた出来事を通して、「なぜそんなふうになったのか」が解き明かされていく。

 ほむらは元々魔法少女ではなく、おどおどとした性格の平凡な少女だった。しかし魔女の結界に迷い込んだところをまどかと巴マミに助けられ、魔法少女の存在を知ることに。そして「ワルプルギスの夜」を経てまどかたちが死亡してしまい、キュゥべえと契約。「まどかを守る私になりたい」という願いによって1カ月ほど前の時間に戻ってくると共に、「時間停止」の能力をもった魔法少女となる。

 しかしやり直しの世界でも「ワルプルギスの夜」襲来による惨劇が起きることは止められない。その後もほむらはタイムループを繰り返してまどかを救おうとするが、必ず壮絶なバッドエンドにたどり着いてしまう……。

 身近な人間たちの死を乗り越えて身も心も強くなっていくほむらの姿は、まさしく修羅。まどかに強い感情を抱くようになった経緯にも、感情を揺さぶられる。何より、それまでの伏線を一気に回収するストーリー展開は、放送当時大きな反響を呼んだ。

 今回取り上げたアニメはどちらかといえばメジャーなものが多いが、おそらく他にもいろいろな作品で過去編の傑作を見つけられるはず。「これは必見!」というオススメがあれば、ぜひコメントなどで教えてほしい。

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