『あなたを奪ったその日から』身バレ不可避 平祐奈に翻弄される阿部亮平の行く末は?

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 『あなたを奪ったその日から』(カンテレ・フジテレビ系)第6話では、偶然のできごとから過去と現在が結びついた(※本記事ではドラマ本編の内容に触れています)。

 スイッチバックに届いた告発動画。Yukiデリの調理責任者を名乗る人物は、動画で結城(大森南朋)に向かって真実を明らかにするように呼びかける。紘海(北川景子)と社員たちが騒然とする中、結城は動画は偽物であり、内容は事実無根と断言する。

 紘海は結城の本心をつかみかねていた。結城は紘海が考えていたような冷酷で無慈悲な人間ではないのかもしれない。仕事の合間にふと見せる横顔から、結城の実直で家庭的な一面が垣間見える。会話の中で紘海は、結城が失踪した娘の萌子/美海(一色香澄)が生きていると信じていることを知る。それはつまり、結城が美海と再会し、実の娘と認める可能性が残っていることを意味していた。

 第6話ではバラバラに動いていた登場人物の距離が縮まって、ドラマの混とんの度合いが増した。そのような事態を呼び起こしたのは週刊誌記者の東(仁村紗和)である。18年前のYukiデリのアレルギー物質混入が事故ではなく事件で、結城がその事実を隠ぺいしているとにらんだ東は鷲尾(水澤紳吾)のフェイク動画を拡散する。揺さぶりをかけることでボロを出す狙いだろう。

 結城自身はともかく、これは周囲の人間には効果があって、まず結城の右腕である望月(筒井道隆)が疑念を抱く。紘海も結城そして望月に接触する。ただし、それで何かが明らかになったわけではなく、むしろ結城のまっとうさが強調される結果になった。それ以上に、紘海が隠し通した秘密が暴露されそうになったのは皮肉でしかない。美海を結城に近づけまいとする警戒心から、あと一歩で結城が現在の美海を知るというニアミスが起きた。そして、望月との接点から東に顔を見られてしまった。

 紘海からすると、深入りすれば危険だとわかっているのに、引き返せなくなっているのは死んだ灯(石原朱馬)の復讐の思いがあるからだ。けれども、それが美海との生活を危機に陥れる。灯と美海、どちらの母親でいるかを選ばなければならない。過去と現在の板ばさみになった紘海のジレンマが、秘密がバレそうになって焦るスリルとともに伝わってきた。

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