安田顕、“役者”を突き詰めていく中で見えてきたもの 「作品が輝くために何をすべきか」

仕事への姿勢と共通する『ダメマネ!』のテーマ

――NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の平賀源内役も大きな話題を呼びましたが、私は思わず「この方にインタビューするのか」と思いながら最期のシーンを観てしまいました。
安田:大丈夫ですよ、僕は何もしませんから(笑)。
――(笑)。あまりに安田さんがたくさんの作品に出演されているので、視聴者としても混乱するほどですが、ご本人の頭の中はどうなっているんだろうととても不思議です。
安田:みなさんも、一日の間にいろんな自分がいると思うんですよ。朝起きて、一人暮らしの方はドアを開けたときから人と接する。家庭のある方は家族と接して、外に出たら違う人と接する。さらには雨だったり晴れだったり、電車が遅れたり、予想がつかないこともたくさんある。一日の中でいろんな感情が必ず動いているわけで、その感覚と一緒だと思います。昼の3時くらいの自分だったり、家に疲れて帰ってきた自分だったり、全然違う自分が必ずいると思うので、どこを切り取るかでキャラクターの内面が変わってくるのかな、という気がしますね。
――ご自身の中で、はっきりと切り替えているような感覚もない?
安田:たとえば3本の記事を抱えていて、それを同時進行で書くときの感覚です。
――なるほど、ライターとしてはすごくわかりやすいです。
安田:1本に集中していると5時間かけても書けないものが、3本を同時に進めると、意外とその3本が5時間で済むことはありませんか?
――たしかに、何か別のことを挟むことで見えてくることもありますしね。
安田:「明日はこれがあるよ、明後日はこれがあるよ」「じゃあ今このセリフを覚えなきゃいけない、今日はこれとこれをやらなきゃいけない」と一度に考えると大変かもしれないけれど、「よし、まずはこれやろう」「はいはい、じゃあ次はこれやろう」「今度はさっきのところに戻ろう」と一個一個分けていくだけで、たとえ同じ5時間だとしても変わってくる。そんな感覚でやってるのかな……とは言っても、まあ限界はあるけど(笑)。
――それはそうですよね(笑)。
安田:あとは、毛色の違うキャラクターをマネジメントの方が選んでくださっているのもありますね。同じ系統のものを同時にやるんじゃなくて、違う毛色のものを3つやれば、それぞれ違う演じ方になってくる。そこでなんとかお客さんに提供できる自分でいられているのかなと思うので、やっぱりマネジメントのみなさんのおかげですね。
――マネージャーさんのお話は、このドラマにも通じるところがありますね。
安田:そうでしょう? そこを狙ってみました(笑)。

――(笑)。演じる犀川さんには「あなたの仕事はスターを作ることではなく、四部を稼げる部署にすることです」というセリフがありましたが、安田さんにとってご自身のお仕事というのは何だと思いますか?
安田:まず犀川の言葉には、「ここは会社なので、稼ぐことができなければ潰れますよ。だから、数字というものをちゃんと成り立たせる。その上でスターを作っていけばいいじゃないですか」という合理的な考え方だと思います。一方で僕の仕事が何かといえば、やっぱり人様に楽しみだったり、娯楽を提供することだと思います。
――その思いは、この仕事を始めた頃から変わらないですか?
安田:作品を観てくれるお客様は、その日何があったかもわからないし、どういう人生かもわからない。でも、その人たちが一つの楽しみとして作品を観てくれている。それが娯楽なんだということを、まず念頭に置きましょうと。自分の役を突き詰めることが、結果としてそこにつながるかもしれないけれども、そっちが先じゃないよ、まずはお客様を楽しませることだよ、と。その上で「何が必要なんだ?」と考えたときに、自分が輝けばいいんじゃなくて、作品が輝くために何をすべきかを考える。前もそう思ってはいたけれど、同じ質問をされたときにはこういう答え方をしていなかったかもしれないですね。
――役者を長く続けてこられて、率直に楽しいですか? 難しいですか?
安田:難しいです。本当に難しい。やっぱりお客様ありきの商売だと思っているので、飲食店の方が「お金をいただいて、『おいしかった』と言ってもらえることがすごくうれしい」とおっしゃる気持ちがわかります。「お客様に褒められるってこんなにうれしいんだ」と思いますよね。それが自分のやりがいですし、やるべきことだと思っています。
川栄李奈が主演を務める人生リベンジコメディー。新人芸能マネージャーにして実は元天才子役の神田川美和が、部長の無茶ぶりに翻弄されながら、崖っぷちタレントたちのために芸能界を駆け回る。
■放送情報
『ダメマネ! -ダメなタレント、マネジメントします-』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:川栄李奈、安田顕、千葉雄大、吉瀬美智子、寺島しのぶ、橋本じゅん、濱田マリ、鈴木仁、永野宗典、古田愛理、倉沢杏菜、増田梨沙
演出:瑠東東一郎、猪股隆一
脚本:宮本武史、岩崎う大(かもめんたる)、西垣匡基
音楽:瀬川英史、鈴木真人
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:藤澤季世子、池田健司、秋元孝之、大護彰子
制作協力:オフィスクレッシェンド
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/damemane/
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6月8日(日)






















