『おっさん剣聖』『闇ヒーラー』『星間国家』 2025年春アニメの“なろう系”は主人公が強烈?

『ゴリラの神から加護された令嬢は王立騎士団で可愛がられる』
また、今期の女性向けなろう系アニメとしては『ゴリラの神から加護された令嬢は王立騎士団で可愛がられる』と『完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる』が放送されている。
とくに『ゴリラの神から加護された令嬢は王立騎士団で可愛がられる』はかなり独創性の強い設定。作中の世界は、16歳になった時点で動物神の加護を与えられるという決まりで、主人公のソフィア・リーラーは気弱な性格でありながら戦闘系最強と言われる「ゴリラの神」の加護を得る。それによってゴリラのような圧倒的なパワーを手に入れ、王立騎士団からスカウトを受けることになる。

ソフィアは人目を引くのが苦手な性格なのだが、ゴリラの加護を手に入れたことでさまざまな騎士たちに興味を抱かれることに。とくに王立騎士団の従騎士、ルイ・スカーレルとの関係が深まっていく。
ストーリー的には王道のラブコメだが、主人公が圧倒的なパワーをもった存在として作中に君臨していることが同作ならではの魅力だろう。たんに守られるだけの存在ではなく、自分の力でどんな理不尽でも軽々と跳ねのけられるという力強さがあるため、視聴者は安心して彼女を応援できる。そうした“有能主人公”の系譜として捉えると、同じ「小説家になろう」発の作品である『薬屋のひとりごと』と通じる部分もあると言えるのではないだろうか。
『鬼人幻燈抄』『神統記(テオゴニア)』
そのほか『鬼人幻燈抄』や『神統記(テオゴニア)』は、「小説家になろう」発とはいえ、本格ファンタジーに近い作品だ。『鬼人幻燈抄』は江戸時代から平成に至る時の流れのなかで、人と鬼をめぐる災いの物語が繰り広げられるという和風大河ファンタジー。そして『神統記(テオゴニア)』は、人族が灰猿人(マカク)族、豚人(オーグ)といった亜人種と抗争する世界で、前世の記憶に目覚めた少年・カイが過酷な戦いを繰り広げていくというストーリーだ。
いずれも世界観の作り込みを重視し、硬派なストーリー展開となっているのが特徴で、なろう系というジャンルの裾野が広がっていることを感じさせる。
ほかにも今期には『Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。』の2クール目が放送されており、『俺は全てを【パリイ】する』や『盾の勇者の成り上がり Season 3』の再放送なども行われている。
落ち着いた大人向けの渋い作品や宇宙規模のSFストーリー、女性版の“最強主人公”など、多彩な可能性が花開いているなろう系アニメ。国内のみならず海外でも根強い人気を集めているので、まだまだジャンルとしての隆盛は続きそうだ。
『俺は星間国家の悪徳領主!』は、「WEB小説投稿サイト」にて連載され「オーバーラップ文庫」にて刊行された三嶋与夢による人気小説をアニメ化したもの。シリーズ累計発行部数(紙+電子)140万部を突破している。
■放送情報
『俺は星間国家の悪徳領主!』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週土曜深夜26:00~放送
キャスト:花江夏樹(リアム)、前田佳織里(リアム幼少期)、上田麗奈(天城)、竹達彩奈(ニアス)、小松未可子(クリスティアナ)、子安武人(案内人)、三木眞一郎(安士)、上田燿司(ブライアン)、稲田徹(ゴアズ)、宮田俊哉(前世の俺)
原作:三嶋与夢(オーバーラップ文庫刊)
キャラクター原案・メカ原案:高峰ナダレ
監督:柳沢テツヤ
シリーズ構成・脚本:高山カツヒコ
キャラクターデザイン:森前和也
総作画監督:森前和也、鈴木政彦、柄谷綾子、萩尾圭太
メカデザイン:山根まさひろ、ことぶきつかさ、森木靖泰、赤樹壱磨
戦艦デザイン:渡辺哲也
キーアニメーター:吉田徹
美術監督:地蔵本拓嗣
美術設定:白石誠
色彩設計:池田ひとみ
撮影監督:今泉秀樹
3DCG:渡辺哲也
編集:増永純一
音響監督:納谷僚介
音響効果:川田清貴
音響制作:プロセンスタジオ
音楽:瀬尾祐介、成田旬
音楽制作:ポニーキャニオン
アニメーション制作:Quad
オープニング主題歌:最終未来少女「宇宙的MYSTERY」
エンディング主題歌:藤咲凪「なんとなく」
©三嶋与夢・オーバーラップ/俺は星間国家の悪徳領主!製作委員会 2025
公式サイト:http://seikankokka-anime.com/
公式X(旧Twitter):@akutoku_ryoushu
公式TikTok:@akutoku_ryoushu























