新納慎也ら“演劇人”が支える日曜劇場 ゲスト俳優の存在から読み解く『キャスター』の強み

大河ドラマ『光る君へ』(2024年/NHK総合)でその名を世の中に知らしめた玉置は劇団「柿喰う客」の看板俳優であり、小劇場を中心に数々の舞台を踏んできた存在だ。そんな彼とヒリヒリした掛け合いを展開してみせた緒川は、ケムリ研究室 no.4『ベイジルタウンの女神』で座長を務めているところ。テレビドラマへの出演は久しぶりだったとのことだが、登場するなりその一挙一動で空気を変えてみせるのはさすがだった。板の上で勝負し続ける者の強さを感じたものである。

この第5話でつねに渋面を浮かべながら警視庁参事官を演じていた手塚とおる、「JBN」の社会部部長にして内通者だった安井順平の妙演も素晴らしかった。基本的にゲスト俳優の登場は1話だけで、彼ら彼女らにやれることはかぎられている。作品の全体像を正確に捉えながら、自身の担うべき役割をまっとうしなければならない。映画やドラマの現場では、物語のすべてに俳優たちは触れられるわけではない。それこそ、与えられた役割をまっとうすることが第一だ。けれども演劇の現場では、物語の最初から最後までの流れを何度も何度も繰り返す。自分の登場シーンの前後の流れだけでなく、作品の全体像を捉える力も自然と養われるに違いない。このような“演劇人”の存在があるからこそ、1話ごとに異なるカラー(=個性)を持った、力強いエピソードが生まれるのだろう。第6話で新納慎也は何を仕掛けてくるか。
テレビ局の報道番組を舞台に闇に葬られた真実を追求し悪を裁いていく社会派エンターテインメント。圧倒的な存在感で周囲を巻き込んでいく型破りで破天荒な主人公・進藤壮一が、視聴率低迷にあえぐ報道番組『ニュースゲート』を変えていく。
■放送情報
日曜劇場『キャスター』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:阿部寛、永野芽郁、道枝駿佑、月城かなと、木村達成、キム・ムジュン、佐々木舞香、ヒコロヒー、山口馬木也、黒沢あすか、堀越麗禾、馬場律樹、北大路欣也(特別出演)、谷田歩、内村遥、加藤晴彦、加治将樹、玉置玲央、菊池亜希子、宮澤エマ、岡部たかし、音尾琢真、高橋英樹
脚本:槌谷健、及川真実、李正美、谷碧仁、守口悠介、北浦勝大
音楽:木村秀彬
プロデュース:伊與田英徳、関川友理、佐久間晃嗣
演出:加藤亜季子、金井紘
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/caster_tbs/
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