『恋は闇』想像の斜め上をいく急展開 “謎の女性”齋藤飛鳥はミスリードの要素の一つに

基本的に1クール10話程度で構成されることが多い昨今の連続ドラマでは、ちょうど中間の折り返し地点となる第5話のラストになんらかの大転換が用意されているというのが定番のパターンである。5月14日に放送された『恋は闇』(日本テレビ系)は、まさにその転換の第5話。ラストに“驚きの急展開”が訪れると事前に告知されていただけに、いったいどんなものが用意されているのだろうかと身構えていたら、想像の斜め上をいくものが待っているではないか。
今回の比較的序盤の方で描かれた、万琴(岸井ゆきの)と設楽(志尊淳)の何気ない恋人同士としてのやり取りのなかで、ふと持ち上がる“万琴は設楽の住んでいる場所を知らない”ということ。そういえば第3話でも、2人が一夜を共にした後、設楽の年齢などの基本情報を何も知らないままだと万琴は向葵(森田望智)に愚痴をこぼしている。それはその後の食事のシーンで「30歳、東京出身。家族はいない。早く稼ぎたかったから大学は中退した」と設楽が話すことでなんとなく片付いたように見えたが、まだまだ不完全。あくまでここで提示されていたのは、設楽の過去の基本中の基本情報に過ぎなかったわけだ。

なにせドラマを観ている側としては、もっぱら設楽を取り巻くミステリアスな部分の焦点が、彼の母親が殺されたという10年前の事件を軸にした設楽の過去の深部にまで絞られているし、そもそも設楽の住む部屋は頻繁に劇中に登場している。小峰(白洲迅)が玄関扉の前までやってきたこともあるのだから、万琴が場所すら知らないというのはまさに“よくよく考えてみれば”。巧妙に盲点を突いたサプライズといえよう。

前回のエピソードで、“ホルスの目殺人事件”の5件目が起きると推測される日付と場所で、黒いレインコートを着た何者か(それが設楽であるように描写されていたわけだが)に襲われた万琴。その襲撃現場から200メートルほど離れたマンションで、5人目の被害者も発見される。引き続き犯人の手がかりを探す万琴は、その被害者が注射器で“血を取られていた”可能性があるという情報を得るのである。





















