朝倉あきが持つ“親しみやすさ”という武器 『光る君へ』を経て本格ブレイクへ

朝倉あき、“誰もが親しみやすい”理由

 だが、どちらの機会も主演やヒロインの常連女優とまでは至らなかった。理由はいくつかある。ひとつは、2014年に芸能活動を休止したことだ。その背景には、学業との両立に悩んでいたことに加え、芸能活動の一番の応援者だった祖母の急逝があったといい、2018年のインタビューで、朝倉は「しばらくは何も考えられず、考えようともしませんでした。しっかり将来のことを考える時間が不可欠でした」と告白。自分自身を見つめ直す時間が必要だったと明かしている(※2)。

 『下町ロケット』以降も主演作品に恵まれながらも、タイミング悪くヒット作と噛み合わず、知名度の広がりにおいて一歩及ばなかった。それでも、2019年には日曜劇場『グランメゾン東京』(TBS系)に出演。玉森裕太演じる若手シェフの婚約者という役柄で、少ない出演ではあったものの、その上品で芯のある女性像を見事に演じたほか、2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』では三条天皇の后・藤原娍子を好演し、公卿をはべらせ酒に溺れるシーンで視聴者に深い印象を残している。

 そして、今回の『三人夫婦』という作品における朝倉の演技には、満を持しての本格ブレイクの期待が高まっている。彼女が演じる美愛は、一見自信家で大胆な提案をする女性だが、実は心の中に迷いや葛藤を抱える不器用な人物であり、朝倉はその微妙な心理を自然な演技で表現している。

 透明感のある存在感もさることながら、「朝倉あき」という女優の魅力のひとつには“昭和っぽさ”があるように思える。現代的な美しさを持ちながらも、どこか懐かしい雰囲気を漂わせる彼女の佇まいは、素朴さや温かさを持っている。派手ではなく、自然体でいることが魅力となり、視聴者にはどこか親しみやすく、安心感を与える存在として映るのだろう。

 この先、回を重ねるにつれ、視聴者は彼女に共感し、その繊細な演技力に引き込まれていくに違いない。

参照
※1. https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/318187/2
※2. https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2018/11/11/kiji/20181111s00041000237000c.html

『三人夫婦』の画像

ドラマストリーム『三人夫婦』

浅香航大が地上波ドラマ初主演を務める新感覚ホームコメディ。孤独な堅物男・主人公の三津田拓三が、元カノ・矢野口美愛とその彼氏・里村新平から、“三人夫婦”にならないかと提案されたことから始まる不思議な生活を描く。

■放送情報
ドラマストリーム『三人夫婦』
TBS系にて、毎週火曜24:58〜25:28放送(一部地域をのぞく)
出演:浅香航大、朝倉あき、鈴木大河(IMP.)、美山加恋、三戸なつめ、葵うたの、市川知宏
脚本:我人祥太、成瀬都香、丹保あずさ
プロデューサー:箱森菜々花
配信プロデューサー:齊藤彩奈、杉山香織、パリーク亜門
演出:熊坂出、成瀬都香、小菅規照
主題歌:IMP.「Cheek to Cheek」(TOBE MUSIC)
製作:「三人夫婦」製作委員会
制作プロダクション:AOI Pro.
制作協力:PADMA
©「三人夫婦」製作委員会
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/3ninfufu/
公式X(旧Twitter):@drama_streamtbs
公式Instagram:@tbs_drama_stream
公式TikTok:@drama_stream_tbs

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