渡辺翔太&伊藤淳史から目が離せない 『なんで私が神説教』が示す“極端な正義感”の対比

そして、森口先生の「正義感」と真っ向から対立する存在として描かれているのが、Snow Manの渡辺翔太が演じる浦見先生だ。渡辺自身が「今まであまり演じたことのないキャラクター」(※)だとコメントしているとおり、彼がこれまで演じてきた役柄と重なりはすれど、完全に一致はしない。生徒と距離感の近い人気者の先生という点では、ドラマ『先生さようなら』(2024年/日本テレビ系)の田邑先生と共通する部分もあるが、浦見先生は彼とは打って変わって、陽気な明るさと溢れ出るほどの熱意が印象的だ。

さらに、浦見先生にはまだ表に出していない一面がある。彼のまっすぐな情熱は空回りする場面も多く、同僚の林先生(岡崎紗絵)からは「単純思考」だと揶揄されるほど。しかし、第4話では生徒の嘘を暴くためにハッタリをかけるなど、策略的思考に長けていることが判明する。一時は、森口先生と口論になって殴りかかるほどの剣幕を見せるシーンもあり、渡辺の静かに熱を帯びる芝居には思わず目を奪われてしまった。
これまでの出演作では難しい役柄でも卒なく演じてきた印象が強いが、暑苦しいほどの正義感のもと有無を言わさない迫力を見せる本作の浦見先生は、渡辺の俳優としてのキャリアの幅をさらに広げるキャラクターになる予感が漂っていた。
彼らは極端とも思える「正義感」を信念として持っているが、その矛先は明確に異なっている。だからこそ彼らの間には対立構造が生まれるわけだが、決してどちらかが正しい「正義」だとは限らない。ふたりともマニュアル通りの対応が目立ち、教師として未熟な部分も見受けられるからだ。

一長一短な部分をキャラクターに滲み出させる伊藤と渡辺の振り幅のある芝居。今後、その真価が発揮される場面もおのずと現れるだろう。今までのキャリアで培ってきたイメージを覆して、俳優としてさらなる新境地を拓きつつあるふたりが演じる教師の動向にも注目していきたい。
参照
※ https://www.ntv.co.jp/kamisekkyou/articles/4621vz35hfsixqdy1p1h.html
『となりのナースエイド』『イップス』などのオークラが脚本を手掛ける、進学校を舞台とした完全オリジナル作品。他人と本音でぶつかり合えない大人たちに送る新たな学園ドラマ。初の教師役となる広瀬アリスが主演を務める。
■放送情報
『なんで私が神説教』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00〜放送
出演:広瀬アリス、渡辺翔太(Snow Man)、岡崎紗絵、野呂佳代、小手伸也、伊藤淳史、木村佳乃、堀内敬子
脚本:オークラ
演出:内田 秀実、南雲聖一ほか
チーフプロデューサー:荻野哲弘
プロデューサー:藤森真実、白石香織(AX-ON)
音楽:横山克
制作協力:日テレアックスオン
©日本テレビ
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