桜井日奈子の“脱・清純派”はいつから? 『人事の人見』森谷役が引き出す多彩な魅力

2025年に入ってからの作品で言えば、『1995~地下鉄サリン事件30年 救命現場の声~』(フジテレビ系)の演技が記憶に新しい。事件の被害者となった人々を受け入れた病院の看護師・奈緒として、異例の事態に対応する勇ましい姿を見せた。奈緒は、当時の関係者らの証言をもとに描かれたキャラクターだ。

原因が特定できず、治療法も確立できないまま、増えていく患者たち。臨機応変に対応し、力強い声で医師に意見を仰ぐ奈緒の姿は、今までの桜井にはない表情が現れていた。出演決定時のコメントで「調べるほど、悲惨で、残酷で、とても胸が苦しくなるような事件で生半可な気持ちでは務まらない、覚悟を持って向き合うべき作品だと思いました」とコメントしているように、桜井自身が生まれる前に起きたことであるが、当時の空気感に自然に溶け込み、医療従事者を懸命に体現しようとする姿勢が伝わってきた(※)。
そして『人事の人見』でも、桜井は物語と主人公をしっかりと支えてくれているのがわかる。第3話では、社員の“副業”に焦点を当てたエピソードが繰り広げられた。ある社員に、VTuberとしての活動は副業にあたるのかと由依(山口まゆ)に相談された森谷は、自身の漫画活動とも重ね合わせながら悩むことに。 人見や由依と話し合ううちに、2人との心の距離を縮めていく様子が丁寧に描かれていた。他人と分け隔てなく接して、話を聞いてくれて、疑問を素直に投げかける人見と、人間観察が得意な森谷との今後の関係にも期待が高まるエピソード。深まっていくであろう同世代の2人の演技の掛け合いにも注目していきたいところだ。

言動や表情だけでなく、声のトーンも上手く変えながら、イメージを変化させ続ける桜井日奈子。今回述べた作品以外にも『マル秘の密子さん』(日本テレビ系)や『95』(テレビ東京系)などで清純派というイメージを超えた新たな姿を見せてきた。4月2日に28歳の誕生日を迎えたばかりの彼女が、年齢を重ねる中でどのように表現の幅を広げていくのか、今後も見守っていきたい。
参照
※ https://realsound.jp/movie/2025/03/post-1946426.html
古い熱血体質の残る大企業を舞台にした人間ドラマ。おバカでピュアすぎる主人公・人見廉と、会社を変えたいと願いながら日々奮闘する真野直己が、個性豊かな人事部の面々と共に会社の中で巻き起こる社員のさまざまな問題と向き合いながら、「現代人の悩み」に立ち向かっていく。
■放送情報
『人事の人見』
フジテレビ系にて、毎週火曜21:00~21:54放送
出演:松田元太(Travis Japan)、前田敦子、桜井日奈子、新納慎也、ヘイテツ、松本まりか、小野武彦、鈴木保奈美、小日向文世ほか
脚本:冨坂友
音楽:カワイヒデヒロ
主題歌:宮本浩次「Today -胸いっぱいの愛を-」(ユニバーサルシグマ)
演出:河野圭太、山内大典
編成企画:草ヶ谷大輔
企画・プロデュース:後藤博幸
プロデュース:橋本芙美、高橋眞智子
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
©︎フジテレビ
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