『あんぱん』今田美桜が放つ「たまるか」のパワフルさ 流行彩る朝ドラヒロインの“口癖”

放送がスタートして3週間が経過し、視聴者からの評判も上々の朝ドラ『あんぱん』(NHK総合)。今田美桜が演じるヒロイン・朝田のぶの快活な言動に触れていると、気分が沈みがちな朝でさえ元気になってくると感じる人も多いはず。のぶというキャラクターも、『あんぱん』という作品も、じつにありがたい存在である。
そんな本作で目を引くのが、のぶの“口癖”だ。彼女はたびたび「たまるか」という言葉を口にする。この言葉が私たちの朝を明るくすることに大きく影響しているのは間違いない。これまでの朝ドラのヒロインたちの多くが口癖を持ち、ときには流行語にまでなることもあった。「たまるか」はどうだろうか。

この『あんぱん』は、あの大人気キャラクター・アンパンマンの生みの親である夫婦をモデルに、のぶと柳井嵩(北村匠海)の激動の生涯を描いていく物語だ。現在はのぶの生まれ故郷である自然豊かな高知の町を舞台に、彼女と家族のにぎやかな日常が紡がれているところである。高い運動神経を持つのぶは勝気な性格で、「ハチキン(=男勝りな女性のこと)おのぶ」や「韋駄天(=足の速い人のこと)おのぶ」などと呼ばれている。朗らかな笑顔がチャームポイントで、これを主演の今田はパワフルに演じ上げている。

のぶがよく口にする「たまるか」という言葉は土佐弁で、感嘆詞として驚きなどを示す際に使うもの。喜怒哀楽の感情が明確に動いたときだけでなく、何気ない日常会話の中でも扱える、非常に汎用性の高い言葉だ。実際にのぶは、さまざまなシーンにおいてこの言葉を口にしている。驚きや感動の度合いが大きいときには「たまるかー!」といった言い方であり、場合によっては「たまるか〜」なんてことも。私たちの多くが日常的に口にしている「ヤバい」という言葉を、ポジティブな状況で使うときに近い感じだろうか。“今田美桜=朝田のぶ”の口にする「たまるか」はじつに聞き心地がよく、すでに馴染みつつある。素敵な言葉だ。