岡田将生、国民的俳優から“国際派俳優”へ 韓国ドラマ『殺し屋たちの店』は納得の抜擢

映画やドラマ、演劇などのエンターテインメント作品を愛する人々にとって、いまもっとも厚い信頼を得ている存在といえば、やはり俳優・岡田将生ではないだろうか。いくつもの魅力的なキャラクターを立ち上げては各作品のクオリティを底上げし、「名作」の誕生に貢献し続けてきた。
そんな彼が、韓国ドラマ『殺し屋たちの店』シーズン2(ディズニープラス)で海外進出を果たすのだという。日本を代表する若き演技者が、ついに活動の場を海外にまで広げることになるのだ。その先には何が待っているのだろうか。
本作は、ディズニープラスにて独占配信中である『殺し屋たちの店』の続編にあたるもの。主人公である大学生のチョ・ジアン(キム・ヘジュン)が、保護者だった叔父のジンマン(イ・ドンウク)から“危険な遺産”を譲り受けたところから物語ははじまった。この遺産とは、“殺し屋たち御用達の武器販売店”のこと。ジアンは叔父の死をきっかけに、謎の殺し屋たちから命を狙われることとなる。彼女はかつてジンマンから教わったサバイバル術を思い出し、数多の危機に立ち向かっていく。非常にスリリングな作品である。
そんな作品の続編で岡田が演じるのは、パビロン東アジア支部傭兵共同チーム長である“J”というキャラクター。現時点でどういった人物なのかはベールに包まれている。が、きっと一癖も二癖もあるキャラクターに違いない。大規模な作品なのだから、製作陣はキャスティングのために岡田のこれまでのキャリアに丁寧に触れたはずだ。どの作品における岡田の姿が目に留まったのだろうか。
国際的に高く評価された『ドライブ・マイ・カー』(2021年)は誰もが観ていただろう。第74回カンヌ国際映画祭で4冠を獲得という偉業を成し遂げ、第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した作品だ。同作で岡田は性格に難のある若手俳優役を演じ、その妙演が映画シーンに衝撃を与えた。世界中からの反響を受けて、とうの岡田自身も海外で戦っていける手応えを得ていたのではないかと想像できる。

あるいは、人間的な感情の欠落した殺人鬼を演じた『ゴールド・ボーイ』(2024年)の怪演に魅せられたのかもしれない。『ドライブ・マイ・カー』で演じていた青年は生々しい狂気を内に秘めた人物だったが、こちらでは狂気が静かに爆発するさまを演じ上げていた。もちろん、オール韓国ロケで制作されたホラー映画『聖地X』(2021年)は押さえていただろう。この作品で演じていた主人公は冴えない性格の情け無い人物であり、岡田の表現力の高さを知るにはもってこいの映画である。昨年のヒット作『ラストマイル』(2024年)などとは規模感こそ違えど、作品の看板を背負うことのできる俳優だと岡田は示している。ひょっとすると“国際的”な作品ということで、『ゆとりですがなにか インターナショナル』(2023年)での岡田を気に入った作り手もいるのかも。