笠松将、『ガンニバル』“後藤家”集結で思い溢れ涙 「みんなに知ってほしかった」

笠松将、『ガンニバル』後藤家集結で男泣き

 キャストの証言から明らかになったのは、片山慎三監督の細部にわたるこだわり。笠松も「なんであんなにこだわれるんだろうなあ。ぶっちゃけ空気を読めない行為だし、自分もある意味そうなっていかないといけない」と感じ入った。笠松はシーズン2で監督と信頼関係を築くことに成功。「第8話の僕のラストシーンで、台本に書かれていないけど、『実際に恵介がやったことを考えるとこうなるから、今までの解釈をいっきに変えてください』と言われて、それがそのシーンにつながっているんですけど、『これが演出なんだ』って思うくらい本の読み方が変わった。僕の中でけっこう大切なシーン」と振り返った。

(左から)中村祐太郎、杉田雷麟、笠松将、米本学仁

 中村は片山の秘話を紹介。「シーズン1のあの人とすみれ(北香那)のシーンで、片山さんが『なんかさ、俺が撮ってるって感じじゃなくて、誰かに操られてる感じなんだよね』と言っていた。演出はみんなの空気もあるし、プロデューサーとかも見てるわけじゃん。それを聞いたときに監督も大きい作品を濃いメンツでやるのは不安なんだなと思ったけど、みんなの話を聞くと、そこから懐柔して作品をものにして、だから最後に恵介の演出を伝えたのも腑に落ちた」と片山監督の手腕に感嘆した。

 さらに米本が「これぐらいの規模感の作品をディズニーのど真ん中でやるってなったとき、あまり使われないキャストだと思うんですよ。もっと顔の知れている、安心して見れる人を使うと思うけど、これだけ飛び道具みたいな人たちを並べたのはこだわりそのものだし、実現するのはなかなか難しいことで感謝してる」と今作の挑戦を称えた。

(左から)笠松将、米本学仁、澤井一希、須森隆文

 笠松は「取材でも言っているんですけど、柳楽優弥と共演するのは緊張感があったし、これでダメだったら、自分の芝居人生はどうなるんだろうという思いでみんな集まった。逆にここで柳楽さんを食ってやるという気持ちで挑んだから、すごく良いものができた。戦って、それを柳楽さんも受け入れてくれて。そういう作品って正直そんなにないから、こうやって仲良く喋れたり、くだらない話や熱い話もできる」と宝物のような撮影に感謝した。

 大塚も「シーズン1でキャスティングが決まって、後藤家で顔合わせのリハーサルをしたときは、全員ほとんど面識がないぐらいの状態。リハーサルではみんなバチバチで、ここで一発かましてやろうっていう感じだった。シーズン2で一気に仲良くなって、後藤家はアンタッチャブルな存在だけど、今見るとめっちゃ仲いいし、この感じは来週続きを観るときは忘れていただかないと」と役本来の関係と違うことを補足した。

笠松将

 今回のイベントは笠松の発案。「正直、僕たちってスターではなくて、でも間違いなく一人ひとりが意思と信念を持って俳優をやってる。そういう人たちと仕事ができることは本当にないからうれしかった。僕にとって大切な作品で、大切な経験」と語ると、感極まって目を潤ませた。「ここからもっと頑張って、一人ひとりが『ガンニバル』から出てきたんだと言われるくらい、いつかスーパースターになって。世界と戦える作品でいろんなものをひっくり返すパワーのある人たちだと思うから、みんなに知ってほしかった。これからも温かく見守ってほしいです」と呼びかけて、名残りを惜しみつつ散会となった。

■配信情報
『ガンニバル』シーズン2
ディズニープラス スターにて独占配信中
出演:柳楽優弥、笠松将、吉岡里帆、高杉真宙、北香那、杉田雷麟、山下リオ、田中俊介、志水心音、吉原光夫、中島歩、岩瀬亮、松浦祐也、永田崇人、ジン・デヨン、六角精児、恒松祐里、倉悠貴、福島リラ、谷中敦、テイ龍進、豊原功補、矢柴俊博、河井青葉、赤堀雅秋、二階堂智、大鷹明良、利重剛、中村梅雀、橋爪功、倍賞美津子
原作:『ガンニバル』二宮正明(日本文芸社刊)
監督:片山慎三、佐野隆英、大庭功睦
脚本:大江崇允、廣原暁
プロデューサー:山本晃久、半田健
アソシエイトプロデューサー:山本礼二
©2025 Disney

 

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