『エイリアン:アース』訪れた“決別の瞬間” 登場人物それぞれの思惑が交錯する最終話へ

ディズニープラス スターで独占配信中の『エイリアン:アース』。『SHOGUN 将軍』のFXが製作を手がけ、エイリアンの生みの親であるリドリー・スコットが製作総指揮を務める本作。映画批評家サイト「Rotten Tomatoes」で批評家スコア95%フレッシュという、『エイリアン』シリーズの中で最高となるスコア(※9月16日時点)を獲得。第7話は“死”を軸にロスト・ボーイズに訪れた“成長”と、決別の瞬間が描かれた。
※本稿は『エイリアン:アース』第7話のネタバレを含みます。
アイザックの死が呼ぶ波紋
第6話でハエ型の地球外生命体に殺された、トゥートルズことアイザック(キット・ヤング)。酸によって溶かされたそのボディが、発見者のカーシュ(ティモシー・オリファント)やウェンディ(シドニー・チャンドラー)の目におぞましく映ったのは、シンセやハイブリッドにも“死”が訪れること、それ以上に地球外生命体の“獲物”が人間だけでなく彼らも含まれているところに対する恐怖ゆえだろう。
もともと病弱だったロスト・ボーイズたちにとって、ハイブリッドになることは“不死”を意味していた。もう病気にもならないし、死なない。ネバーランドは危険のない、安全な場所。そんなふうに大人から植え付けられていた嘘が露呈したこと、その事実をウェンディはもう無視することができなかった。極め付けに施設を脱走した彼女とハーミット(アレックス・ロウザー)、そしてニブス(リリー・ニューマーク)が目にしたのはロスト・ボーイズの元々の身体が埋められた墓だった。その墓が、人間としてすでに死んでいる事実を改めて彼女たちに叩きつける。
ハーミットにとっても辛いシーンだが、ウェンディとニブスにとっても現実……つまり自分たちはもう“人間側”ではないことを受け入れるためには十分なトラウマ的体験なのだ。その対立思考がボートでの様子につながっていくわけなのだが、ここにきて第1話のラストでカーシュが彼女に語りかけていた「人間の死」に関する言葉が深い意味を持つため、改めて本シリーズの脚本の巧みさを実感させられる。
「動物の世界は油断ならない」
『エイリアン』シリーズにおいて、ゼノモーフをはじめとする“エイリアン”らの存在は、登場人物にふりかかる“理不尽な死”そのものとして機能してきた。それ故にウェンディがハイブリッドもシンセも、サイボーグも人間も、動物の世界においては等しく獲物になり得ると理解した時、死(ゼノモーフ)そのものを味方につけ状況に打ち勝とうとするのだ。






















