多部未華子は時代を映す主演俳優だ 『ナギサさん』とは正反対の役柄で挑む『対岸の家事』

多部未華子は時代を映す主演俳優だ

 詩穂を演じる多部未華子といえば、TBS火曜ドラマの主演を務めるのは2度目、2020年放送の『私の家政夫ナギサさん』以来の約5年ぶりで、役柄が正反対なのも面白い。『私の家政夫ナギサさん』では、製薬会社のMRとしてバリバリ働いているが、家事が苦手な相原メイを演じた。

『私の家政夫ナギサさん』は“肩の荷を下ろす”ドラマに サプライズ満載の多幸感あるラスト

「私もあなたを手放したくないんです。あの、それは、つまり、あの……ちょっと恥ずかしながら、好きだってことだと思います。メイさん、…

 28歳の誕生日に妹の唯(趣里)が家事代行のスーパー家政夫・ナギサさんこと家事のプロフェッショナル・鴫野ナギサ(大森南朋)を姉・メイの家に送り込んだ。メイは妹の心遣いを喜ぶどころか、おじさんが家にいることに抵抗を感じたものの、部屋は片づき、失せ物はどんどん見つかり、栄養のあるおいしい食事が用意されている穏やかな空間に心が満たされるのを感じる。

 メイは母親に「お母さんになりたいなんて、くだらないこと言わないで」「男の子に負けない仕事のできる女性になって」と期待され、その期待に応えるべく真面目に努力してきた結果、仕事はできるが家事全般不得手となっていた。人は期待に応えたいと努力する生き物でもあるし、とはいえ向き不向きもある。一般的に「女性ならば家事ができなくては」という風潮はなかなかなくならないし、男性の場合は仕事で成果を発揮して有能であれば家事が全くできなくても問題にならなかったりする。

 周囲の期待に応えて仕事をどれだけ頑張っても、それでは足りないと家事も求められる。そのやるせなさを満たしてくれる存在がナギサさんで、癒し系ドラマとして人気を博した。整理整頓上手なナギサさんのおかげで埋もれていたお気に入りのアクセサリーを見つけて、どんどんキラキラ輝き出すメイを多部未華子が好演。自然体ながらも独特の魅力で役柄を印象付け、年齢を重ねるほどにかわいらしさを手に入れている。多部未華子が令和で絶滅危惧種となった専業主婦をどう演じるのか楽しみでもある。

『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』の画像

火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』

朱野帰子による小説『対岸の家事』を原作としたヒューマンドラマ。専業主婦の主人公・詩穂が、生き方も考え方も正反対な「対岸にいる人たち」とぶつかり合いながら、自分の人生を見つめ直していく模様を描く。

■放送情報
火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』
TBS系にて、4月1日(火)スタート 毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:多部未華子、江口のりこ、ディーン・フジオカ、一ノ瀬ワタル、島袋寛子、田辺桃子、松本怜生、川西賢志郎、永井花奈、寿昌磨、吉玉帆花、五十嵐美桜、中井友望、萩原護、西野凪沙
原作:朱野帰子『対岸の家事』(講談社文庫)
脚本:青塚美穂、大塚祐希、開真理
音楽:阪井一生(flumpool)
主題歌:離婚伝説(Sony Music Labels)
プロデューサー:倉貫健二郎、阿部愛沙美
演出:竹村謙太郎、坂上卓哉、林雅貴
編成:吉藤芽衣
製作:TBSスパークル、TBS
©TBS
©朱野帰子/講談社
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/taigannokaji_tbs/
公式X(旧Twitter):@taigan_tbs
公式 Instagram:taigan_tbs
公式TikTok:@taigan_tbs

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