香取慎吾が演じきった“最高男” 『日本一の最低男』最終回は人を動かすための“物語”に

『日本一の最低男』最終回の大どんでん返し

 つまり第8話のラストで再開発計画の見直しを長谷川と黒岩に直談判した一平が区長選への出馬を宣言してから、両者の間に流れていたピリピリとした空気、長谷川や黒岩を打倒しようと暴走気味の選挙戦を繰り広げるこの最終話序盤の一平も、すべてがこの作戦の一環。なるほど、ドラマの最初の頃のエピソードで“ホームドラマ”を演じていた一平が、ちっとも最低男でなくなってきた流れで、今度は自ら積極的に“最低男”を演じ抜く。選挙が終わったら家族と縁を切ると、家を出ていった彼が残した置き手紙でサブタイトルを回収しつつ、メインタイトル部分もこの最終話での道化ぶりにかかっていたというわけか。

 一平と真壁が最初にこの作戦を立てたシーンで、すべてを捨て、世論を敵に回しても真壁を勝たせようとする一平が言う「街の未来はあいつらの未来。俺はあいつらに、いちばん好きな自分でいられる未来を渡したい」の言葉。最後の演説を計画通りに終え、ヤジを浴びながらも堂々と胸を張って歩いていく一平の姿。それらはあまりに最高な“最低男”であり、当選を果たした真壁(ドラマ後半で、ずっと真壁のほうが“最低男”だと思ってしまって申し訳ない)が公約を果たした数年後が描かれる続編にも期待したくなる、実に綺麗な終わらせ方であった。

『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』の画像

木曜劇場「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」

“日本一の最低男”である主人公・大森一平が、家族を、社会を、そして日本を変えていくために奮闘する姿を描く完全オリジナル作品。

■配信情報
『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』
TVer、FODにて配信中
出演:香取慎吾、志尊淳、冨永愛、増田梨沙、千葉惣二朗、向里祐香、佐野玲於、橋本じゅん、安田顕ほか
脚本:政池洋佑、蛭田直美、おかざきさとこ、三浦駿斗
演出:及川拓郎ほか
プロデュース:北野拓ほか
主題歌:香取慎吾「Circus Funk(feat. Chevon)」(トイズファクトリー)
制作協力:テレパック
制作・著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/saiteiotoko/
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