ショーン・ベイカー監督に聞く『ANORA アノーラ』が示したインディペンデント映画の可能性

「『ANORA アノーラ』の成功で自信がついた」
ーー2017年、『タンジェリン』の日本公開時の来日インタビューで、ハリウッドのメジャー映画に挑戦する可能性ついてお聞きしました。その際、「今はそういう映画を自分で撮りたいとは思わない」と答えつつ、「もしこの質問を1年後に受けたら、まったく違う回答をするかもしれない(笑)」とおっしゃっていたのが印象的でした。
『タンジェリン』ショーン・ベイカー監督が語る、編集の重要性とハリウッドメジャー映画について
アメリカン・インディペンデント界の気鋭ショーン・ベイカーが監督・脚本・編集・撮影・製作を手がけた映画『タンジェリン』が1月28日…ベイカー:インタビューしていただいたの覚えていますが、そんなことを言っていましたか(笑)。
ーーはい(笑)。あれから8年が経ちました。アカデミー賞授賞式でも映画館の危機、劇場での映画体験の重要性について語っていましたが、当時のスタンスはいまでも変わらないですか?
ベイカー:結論から言うと、スタンスは変わりましたです。8年前と比べて、インディペンデント映画を取り巻く環境は大きく変化しました。より厳しい状況にあるということです。自分たちの暮らしを継続していくためにはスタジオ映画に挑んでより良い報酬を得るのが一番の近道だとは思いますが、そういうわけにはいきません。今回の『ANORA アノーラ』の成功で、インディペンデント映画でもビジネスとして成立することがわかりましたし、『ウィキッド ふたりの魔女』のような大作と張り合えることができたので、むしろ自信がつきました。なので可能な限り、インディペンデントで映画を作り続けていきたいと思います。
■公開情報
『ANORA アノーラ』
全国公開中
出演:マイキー・マディソン、マーク・エイデルシュテイン、ユーリー・ボリソフ、カレン・カラグリアン、ヴァチェ・トヴマシアン
監督・脚本・編集:ショーン・ベイカー
製作:ショーン・ベイカー、アレックス・ココ、サマンサ・クァン
配給:ビターズ・エンド ユニバーサル映画
2024年/アメリカ/カラー/シネスコ/5.1ch/138分/英語・ロシア語
©2024 Focus Features LLC. All Rights Reserved. ©Universal Pictures
公式サイト:anora.jp
公式X(旧Twitter):@anora_jp























