野沢雅子に聞く、『ドラゴンボール』が愛され続ける理由 「悟空は私の分身です」

野沢雅子が『ドラゴンボール』への思いを語る

 原作者の鳥山明さんが1984年に『週刊少年ジャンプ』で連載をはじめ、1986年に初放送されたTVアニメ『ドラゴンボール』。2024年10月より放送されているTVアニメ『ドラゴンボールDAIMA』は、鳥山さんが原作、ストーリー、キャラクターデザインのほか、制作に詳細に携わった完全新作アニメシリーズだ。シリーズ名の「DAIMA」は、鳥山さんが「これまでとはまた違った強めなネーミングを」と考案したタイトルとなっている。

 今もなお世界中で愛され続ける『ドラゴンボール』シリーズで、主人公・孫悟空の声を長年務めている野沢雅子。『ドラゴンボールDAIMA』の放送を受けて、改めて悟空への思いを語る野沢は、「悟空は何でもできると思っている」と語る。その思いを胸にどのように声を吹き込んだのか。孫悟空というキャラクターと向き合う過程や、自身のキャリアを通じて感じた“アニメの力”について語ってもらった。

孫悟空を演じ続けて40年、野沢雅子の変わらぬ思い

 これまで約40年間にわたり孫悟空の声を演じてきた野沢。『ドラゴンボールDAIMA』の制作を聞いた際の率直な感想を聞いてみると、「『DAIMA』が決まったと聞いた時はまず、『わ! やった!』と声が出ましたね。『やった、よかったなあ』って心から思いました」と当時の心境を振り返る。

 キング・ゴマーの陰謀によって子どもの姿にされてしまった悟空が、界王神や突如現れた少年魔人・グロリオと共に大魔界を冒険する物語が描かれる本作。舞台となる大魔界については、「景色を見たとき、何か起こりそうだなと思いました」「私たちの世界でもそうですよね。例えば雲があると、『この雲は何だろう? 雷が鳴るかな?』と思ったりするじゃないですか」と、悟空の好奇心にも通じるような視点で語ってくれた。

 『ドラゴンボールDAIMA』で初披露された“小さな姿の悟空”については、「無邪気でかわいいでしょ? この姿が好きなんです」と説明。続けて、「悟空はなんでもできると思っているんです。私の中でね。悟空自身は自由自在に力を操れるなんて思っていないんだろうけど、『はっ!』と力を出すとできちゃうんです。そういう不可能を可能にする力を持っているんです」と悟空への思いを明かした。

 『ドラゴンボール』シリーズでは孫悟空に加え、孫悟飯、孫悟天の声も担当している野沢。『ドラゴンボールDAIMA』での小さくなった悟空と大人の悟空の演じ分け方について聞くと、「特に意識はしていなくて。悟空の姿を見たら、すぐにそのキャラクターに入り込むことができるんです。小さな姿の悟空を見たら、自然とパッと変わるんですよ」と、彼女ならではのアフレコの裏側を語ってくれた。

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