『ホットスポット』池松壮亮の最高の驚愕顔 想像の遥か上を超えるバカリズム脚本に

『ホットスポット』想像の遥か上を超える展開

 宇宙人がもう一人いるだとか、あの人物は宇宙人なんじゃないかとか、そんな稚拙な考察をしていた自分が恥ずかしくなる。かつて『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)が幼なじみを救出するストーリーへと変化していったターニングポイントに当たるのが、『ホットスポット』(日本テレビ系)第7話だ。バカリズム脚本はいつも我々が想像する遥か上を悠々と浮遊していく。

 2月23日、22時30分、富士山の日。山梨県で起きた甲府事件からちょうど50年の日にオンエアとなった『ホットスポット』(日本テレビ系)第7話。『月曜から夜ふかし』のディレクター・岸本(池松壮亮)と松崎(前田旺志郎)が富士浅田市に再びやって来るメインストーリー……の前に触れたいのは、村上博貴(小日向文世)が未来人だったということだ。

 清美(市川実日子)が働くレイクホテル浅ノ湖に長期滞在する宿泊客の村上。その正体は従業員の間でも謎に包まれており、時折、富士山を眺め『アナザースカイ』(日本テレビ系)ふうに自分の世界に浸る姿が目撃されていた。はっきり言ってしまえば、宇宙人である高橋(角田晃広)と見た目もそっくりで、多くの視聴者が村上も宇宙人なのでは、と思っていたはずだ。筆者もその一人である。

 ホテルがなくなるという衝撃の事実を村上から聞いた清美は、お昼休み、例のコンビニの前の湖の見えるベンチに村上と並んで座る。「あの、今からちょっと信じられないような話をするけど、とりあえず最後まで聞いてもらえる? 嘘みたいな話なんだけど、紛れもない事実だから」と言われ、清美と同じく視聴者も見覚えがあるシチュエーションの上で、「なんで僕が、ホテルがなくなることを知ってるかって言うと」まできて、「実は僕、未来人なのね」で裏切ってみせる。我々はここまで高橋の「実は僕、宇宙人なのね」という告白を何度も聞き、条件反射に笑いがこみあげる身体になっているからこそ、「……え?」という清美と同様の驚きを隠せない状況に陥るというわけだ。

 すでに公式サイトの相関図には村上に「未来人」の注釈が足されている。村上はホテルがなくなった50年後からきた未来人という設定らしく、以前からSNS上で話題になっていた受験生の上村貴博(萩原護)と名前がそっくりなことも同一人物なのではないかと思えてくる。清美にとっての仕事先、高橋にとっての癒しの温泉がなくなってしまう未来を変える、というのが最終章の内容になるのだろうか。

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