『相続探偵』山村紅葉×床嶋佳子で増すサスペンス感 小関裕太と白洲迅の“演技バトル”も

『相続探偵』山村紅葉×床嶋佳子でサスペンス

 一方、伝統とは、“名前”だと思っている正臣は、新たに「鳳凰べっかん」をオープンし、コストも手頃で日持ちのしやすいお菓子を提供した。それによって、これまでとっつきづらくて「鳳凰」のお菓子に手を出しづらかった新規顧客を取り込み、見事大成功を収める。ただの“アホぼん”ではなかったのだ。それを紘一は見抜いていたのかもしれない。だが、これが紘一の望んでいた結果とは思えず、彼がなぜ二人に“名”と“実”を分けて相続させたのかという答えは次週明らかになるのだろう。ちなみに、小関裕太と白洲迅は、どちらも“若手俳優の登竜門”と呼ばれるミュージカル『テニスの王子様 2ndシーズン』でブレイクを果たした俳優だ。同作は中学校のテニス部を舞台にしたスポーツもので、小関は主役校の青学、白州はそのライバル校・氷帝のメンバーをそれぞれ演じていた。あれから10年以上の時を経た、二人の演技バトルも見応えがありそうだ。

 なお、京都は令子の地元であり、彼女の過去も明らかになる。3年前、令子の父は京都医科歯科大学の消化器外科で教授をしていたが、医療過誤を疑われ、係争中に急死していたのだ。令子は父の無実を証明しようとしたが、医学部内の権力争いによって真相はゆがめられ、味方になってくれる者は誰も現れなかったという。そんな中、唯一手を差し伸べてくれたのが灰江だった。当時現役の弁護士だった灰江のおかげで無実は証明されたが、患者や世間の偏見の目は完全に消えることはなく、今も令子は医大を休学している。彼女もまた、野心や正臣のように、父の思いを受け継いでいこうとしているのだろう。

 そんな令子の父親の事件が、灰江にとって弁護士としての最後の裁判だった。物語はそろそろ折り返しとなるが、未だ明らかになっていない灰江の過去。鍵となるのは、弁護士・福士(落合モトキ)を通じて、灰江の動向を探る謎の男・地鶏(加藤雅也)であることは間違いなさそうだ。「死人に口なし」という言葉を聞くたび、眼光が鋭くなる理由とは果たして。

『相続探偵』の画像

相続探偵

『イブニング』で2021年から連載中の西荻弓絵と幾田羊による同名漫画を実写ドラマ化するヒューマンミステリー。『SPEC』シリーズなどを手がける原作者の西荻自ら脚本を担当する。

■放送情報
土ドラ9『相続探偵』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00~放送
出演:赤楚衛二、桜田ひより、矢本悠馬、落合モトキ、石井正則、渋川清彦、三浦貴大、加藤雅也
原作:『相続探偵』原作・西荻弓絵/漫画・幾田羊(講談社『モーニング』所載)
脚本:西荻弓絵
演出:菅原伸太郎、長沼誠ほか
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:島ノ江衣未、石井満梨奈(AX-ON)、本多繁勝(AX-ON)
協力プロデューサー:次屋尚、吉川恵美子(AX-ON)
音楽:佐藤航、Gecko&Tokage Parade
制作協力:日テレアックスオン
©日本テレビ
©西荻弓絵・幾田羊/講談社
公式X(旧Twitter):https://x.com/souzoku_ntv
公式Instagram:https://www.instagram.com/souzoku_ntv/
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