木村拓哉は“平凡な男”をどう演じるのか 山田洋次監督との再タッグで“覚醒”に期待

木村拓哉は”平凡な男”をどう演じるのか

 主演を務めた『グランメゾン・パリ』(2024年)が上映中である木村拓哉の次なる出演映画が発表された。そのタイトルは『TOKYOタクシー』。監督を務めるのは名匠・山田洋次であり、しかも木村は倍賞千恵子と共演するのだという。長いこと日本の映画シーン、ひいてはエンターテインメント界を見守ってきた人々からすると、この組み合わせを目にしただけで込み上げてくるものがあるのではないだろうか。

倍賞千恵子と木村拓哉が実写映画初共演 山田洋次監督『TOKYOタクシー』11月21日公開へ

松竹創業130周年を記念した2025-26年ラインナップ発表会が1月23日に都内で行われ、倍賞千恵子と木村拓哉が共演する山田洋次…

 本作は、現代の東京を舞台にしたヒューマンドラマ。日本では2023年に公開されたフランス映画『パリタクシー』を原作に、さえない日々を送るタクシー運転手と、その乗客で人生の終活に向かうマダムとの運命的な出会いと奇跡を描くものだ。木村がタクシー運転手を、倍賞がマダムをそれぞれ演じる。このふたりが共演するのは、2004年に公開された『ハウルの動く城』から21年ぶりのこと。しかも実写作品での共演は今回が初である。

 『ハウルの動く城』といえば、平成中期に誕生した言わずと知れた名作中の名作だ。同作で倍賞は主人公・ソフィーの声を、木村はソフィーの相手役でタイトルロールのハウルの声を、それぞれ演じた。いまでも目を閉じればすぐに、ソフィーとハウルの明るくにぎやかなやり取りを思い出すことができる。ふたりのあの声が、頭の中で反響する。これは私だけではないだろう。そんな声の主である倍賞と木村が、21年もの時を経て今度はまったく違う関係性で再会するわけだ。それも、『TOKYOタクシー』が描くのはファンタジックな世界ではなく、このシビアな現実世界である。このような世界でふたりの人生は、いったいどのように交差するのだろうか。

 物語のあらすじとしては次のようなもの。ある日、タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、高野すみれ(倍賞千恵子)という85歳の女性を東京の柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになる。その道中、すみれは浩二にいくつかの寄り道を依頼。やがて心を許したすみれは、自らの壮絶な過去を語りはじめるーー。この物語に木村はどのように挑むのだろうか。

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