みりちゃむが『おむすび』の“最大の発見”に 生見愛瑠に続く演技派モデル出身俳優になる予感

みりちゃむが『おむすび』の“最大の発見”に

 久しぶりの登場となった第76話では、ルーリーが勤めていた博多のアパレル企業が倒産。無職になり、困窮の末に結のもとを訪ねてくる。結の紹介でチャンミカ(松井玲奈)が店長を務める古着屋に就職が決まり、お金が貯まるまで米田家に身を寄せることになるルーリーだが、不思議と厚かましく感じられないのはみりちゃむの手腕によるものだろう。彼女の演技からは、相手の懐に躊躇なく飛び込んでいける素直さと逞しさが溢れていて、むしろ気持ちがいい。一方で、何だか放っておけない危うさも秘めており、大胆なようでしっかりと計算された繊細な演技から目が離せないのだ。

 みりちゃむに限らず、モデルから俳優業に進出し、成功を収める例は非常に多い。結の姉であり、ルーリー憧れのギャル・歩を演じる仲里依紗もその一人だ。仲は少女漫画雑誌『ちゃお』のモデルオーディションで特別賞を受賞したのを機に芸能界入り。その後、ファッション雑誌『CANDy』(現在は休刊)で専属モデルを務め、2006年に劇場アニメ『時をかける少女』のヒロイン役で高い評価を得て以降は俳優として邁進してきた。近年は、Netflixシリーズ『離婚しようよ』や『不適切にもほどがある!』(TBS系)などでコメディエンヌぶりを発揮しているが、シリアスなシーンでは心を揺さぶる演技で作品の空気感さえも変えてしまう。本作の第15話で満を持して登場した際にも、X(旧Twitter)で「ますます面白くなりそう」「一気に雰囲気が変わった」といった声が上がるなど、常に視聴者からの期待感も大きい。

 みりちゃむと同じギャルタレント枠で挙げると、“めるる”こと生見愛瑠も。生見は『ニコ☆プチ』や『Popteen』などで専属モデルを務めたのち、『おしゃれの答えがわからない』(日本テレビ系)で演技初挑戦。『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』(TBS系)では、電動キックボードを運転中に接触事故を起こして逮捕されてしまう女性を熱演し、話題を集めた。生見といえば、バラエティで見せる明るいキャラクターが印象的だが、『日曜の夜ぐらいは…』(ABC・テレビ朝日系)では自由奔放な母親の存在に苦しめられる女性、『セクシー田中さん』(日本テレビ系)では一見華やかだが、空虚感を抱くOLを演じるなど、ドラマではどこか影のある役柄が多く、そのギャップと感受性豊かな演技で観る人の心を掴んでいる。

 この1月期に『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班』(フジテレビ系)で主演を務める波瑠も、『セブンティーン』の専属モデルとして活動中はギャルメイクで、当時は映画『恋空』や『山形スクリーム』でも強めのギャルを演じていた。そんな波瑠は髪型をショートカットにした頃から一気にブレイク。今や演技派俳優の一人として数多くのドラマで主演を張っている。みりちゃむも本作への出演をきっかけにオファーが殺到するのではないだろうか。令和を代表するギャル俳優として活躍してほしいが、その演技力の高さを目の当たりにするとギャル以外の役も観てみたいという願望が湧いてくる。

参照
※ https://realsound.jp/movie/2024/10/post-1812510.html

■放送情報
連続テレビ小説『おむすび』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:橋本環奈、仲里依紗、北村有起哉、麻生久美子、佐野勇斗、藤原紀香、三宅弘城、萩原利久、緒形直人、松井玲奈、平祐奈
語り:リリー・フランキー
主題歌:B'z「イルミネーション」
脚本:根本ノンジ
制作統括:宇佐川隆史、真鍋斎
プロデューサー:管原浩
写真提供=NHK
 

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