『日本一の最低男』が誠実に向き合った同性婚 大切なのは“理解”ではなく純粋な感情の尊重

「ホームドラマを演じきってやる」と、電話越しに真壁(安田顕)に宣言しているところを、偶然ひまり(増田梨沙)に聞かれてしまう一平(香取慎吾)。またもや大森家のなかで新たな問題が勃発するのかと思いきや、今回のストーリーは主に家の外側へと向けられながら進んでいく。1月16日に放送された『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』(フジテレビ系)の第2話は、同性カップルの結婚というテーマに触れるエピソードとなった。

区議会議員選挙を有利に運ぶために、街の有力者である町会長の二階堂慎太郎(岩松了)の懐に入るようアドバイスされる一平。偶然にも慎太郎の息子・剣聖(佐野玲於)は、朝陽(千葉惣二朗)の通う保育園の先生。また、早くに妻を亡くして男手ひとつで息子を育ててきたという慎太郎の境遇が、正助(志尊淳)に似ていた。そんな折、都(冨永愛)の店で剣聖と会い、彼がパートナーの智也(中井大)と結婚を考えていることを知った一平は、剣聖と智也に結婚までの過程を取材させてほしいと申し出るのである。

端的に言ってしまえば、有力者である慎太郎に近付くために取材を思い付き、理解していると言いながら同性カップルである2人に同情心を向け、誰かを感動させるための素材として利用する一平は、タイトルの通り“最低”というほかない。とはいえ、剣聖からはっきりと言われたことで、自分が「全然わかっていなかった」ことを素直に認め、正助にも助けを求めながら、できることはないかと不器用に手探りで進んでいくさまは、まったくもって最低ではない。入口はどうあれ、第1話のとき以上に一平の変化があらわれているといえよう。