芳根京子が“ひよこ感”を体現 『まどか26歳、研修医やってます!』研修医が背負う命の重さ

どの職業にも“見習い期間”というものが存在するが、医者のそれに当たる研修医が自身の進むべき道やどう生きるかを模索する姿が描かれる『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)。第1話では、主人公の若月まどか(芳根京子)を含む同期の研修医5人が、様々な科を巡り最後に自分が専攻する科を選ぶための初期研修“スーパーローテーション”の2年間に乗り出す。

人手不足の医療現場において研修医は先輩医師からすれば途中で逃げ出されてしまわぬようにもてなすべき“お客様”的存在。先輩医師が昼食もうかうか食べていられないほどに激務を極める姿を尻目に、自分たちは9時5時勤務だが、注射を打つにも太くてまっすぐな血管はなかなか見つけられないし、模型や練習キットと人体では全く勝手が違って歯が立たないことばかりだ。

食事に一生懸命で「まぁ何とかなるっしょ」が口癖のまどかは、全身から生命力が漲っていて何だか初々しい。演じる芳根の歩き方までもが、まだまだ職場である病院内に馴染んではいないおぼつかない足取りで、まさに新米のひよこ感を体現している。

仲良くなった患者の異変について「寝違えただけ」という本人の言い分を信じたまどかが報告しなかったばっかりに、後々それが危うく命取りになりかける。本当に日々の瞬時の判断ミスが人の命を奪いかねない医療現場のプレッシャーは計り知れないものだろう。

昨日までいつも通り楽しく雑談していた患者が激痛に見舞われ、苦しんでいる急変ぶりを目の当たりにし、うろたえているまどかに、看護師からは「先生、どうしますか?」と強く判断を求められる。散々“お客様”と揶揄され腫れ物に触るかのように扱われることにどこか居心地の悪さややりづらさを感じながらも、やはりここぞという場面で自身の指示を仰がれるプレッシャーたるや相当のものがあるだろう。自分の無力さを嫌というほど突きつけられ、他でもないまどか自身が“お客様”と言われる立場にどこか甘んじていたことに気づいた部分があったのかもしれない。