“負けヒロイン”が2024年のアニメシーンに与えた影響 『マケイン』『アオのハコ』から考察
というより厳密に言えば、どんなアニメ作品もリアルタイムのメディア環境から影響を受けざるをえない。『ガールズバンドクライ』が「大ガールズバンド時代」の作品とみなされるのにも、前年までの『ぼっち・ざ・ろっく!』『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の連続的ヒットの影響がないはずがない(そもそも「大ガールズバンド時代」は『BanG Dream!』の作中用語である)。
つまり一方では「リメイク」ブームにみられるように、一つの作品を不動の「芸術」とみなし、それを都度アップデート/反復していくような流れがある。
もう一方にはいまみてきたような、リアルタイムのメディア環境からの影響が作品の受容を大きく変化させる、刹那的なダイナミズムがある。
後者の、いわば「ジャンク」なノリは、時にはJR駅の風景を変えてしまうようなわけのわからない現象を生み出し、世の中を掻き乱す(だがそれがいい)。
そして2025年の展望を語るならば、たとえば1月から第2期が始まるTVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』の提示する「勝敗なきヒロイン像」は、いまみてきたような「負けヒロイン論争」にどんな影響を与えるだろうか。アニメを取り巻くメディア環境からは目が離せない。
■放送情報
TVアニメ『アオのハコ』
TBS系にて、毎週木曜23:56〜放送
Netflixにて先行配信
各配信サイトにてTV放送終了後に順次配信
キャスト:千葉翔也(猪股大喜役)、上田麗奈(鹿野千夏役)、鬼頭明里(蝶野雛役)、小林千晃(笠原匡役)、内田雄馬(針生健吾役)ほか
原作:三浦糀(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督:矢野雄一郎
キャラクターデザイン・総作画監督:谷野美穂
シリーズ構成・脚本:柿原優子
色彩設計:今野成美
美術監督:藤井王之王
撮影監督:川下裕樹
編集:笠原義宏
音響監督:明田川仁
音楽:大間々昂
クリエイティブアドバイザー:モギ シンゴ
企画プロデュース:UNLIMITED PRODUCE by TMS
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
オープニングテーマ:Official髭男dism「Same Blue」(IRORI Records / PONY CANYON)
エンディングテーマ:Eve「ティーンエイジブルー」(TOY'S FACTORY)
©三浦糀/集英社・「アオのハコ」製作委員会
公式サイト:https://aonohako-anime.com/
公式X(旧Twitter):@aonohako_PR
アニメ公式TikTok :@aonohako_PR