千葉翔也、『アオのハコ』主人公役は必然だった? 『よう実』綾小路との“ギャップ”を堪能

千葉翔也、『アオのハコ』主人公役の必然性 

「俺には、毎朝一番に会いたい人がいる」

 この素直すぎるほど爽やかな一言から始まるところが、まさにTVアニメ『アオのハコ』らしさだろう。青くて、優しくて、眩しいほどの純粋さ。それはそのまま、主人公・猪股大喜の心の中の空気でもある。純度100%、爽やかさMAXのまっすぐな心の持ち主・大喜を演じているのが千葉翔也だ。

 TVアニメ『アオのハコ』は千葉と、鹿野千夏役の上田麗奈の掛け合いを軸に展開していく。もちろん千夏役の上田の繊細な演技も見事なのだが、本稿では特に、並々ならぬキャラクターへの寄り添いが印象的な千葉の演技に迫っていきたい。その徹底ぶりは、オーディションの段階からすでに表れており、日々ハードな練習を重ねる大喜の感覚を少しでも掴もうと、腹筋ローラーを使用して臨んだという(※1)。

 『アオのハコ』公式WEBラジオでは、千葉の“息づかい”にも注目が集まった。第1話冒頭シーンでの走る大喜の息遣いと、千夏の引っ越しを知った際の息づかいの違いについて、千葉は日頃から走るシーンの多い役を演じているものの、この作品では単なる朝練習での走りではなく、「学校に行けば千夏に会える喜び」を息づかいに込めたという(※2)。

 また、バドミントンの試合シーンでは、シャトルを打つ方向や意図を自身で細かく書き込み、その感情を息づかいへと昇華。こうした千葉の丁寧な役作りが、大喜の感情を映像としてより生き生きと立ち上がらせていることは、映像からもひしひしと伝わってくる。

 取材では、共演の上田麗奈との綿密な演技の調整についても触れており、アフレコ終了後に上田と話し合いを重ね「手応えを感じたときに、お互いに『今めちゃくちゃ良かったけど、何が良かったんでしょうね』」と確認し合ったとも明かしている(※3)。その場で生まれたものに呼応してアフレコをしながらも、お互いに“刺さった”ポイントを後から振り返っていくという、徹底してキャラクターの感情の流れに向き合うアプローチをとっていたそうだ。

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