『かくかくしかじか』は“実写化向き”の漫画だった 朝ドラヒロイン・永野芽郁との親和性

『かくかくしかじか』は“実写化向き”だった

 さらに、映像化されるにあたり本作のビジュアル面にも期待を寄せているという。

「本作は、美術の描写が重要になってくると思います。原作が持つ美術へのこだわりを映画でもしっかりと表現することができれば、自然と説得力が生まれるのではないでしょうか。また、予告編ですでに映し出されていましたが、原作では明子の住む田舎の風景が情感たっぷりに描かれているので、それをそのまま映像で再現することができれば、物語をより一層引き立てることができると思います」

 美大をテーマにした作品は『ハチミツとクローバー』をはじめ、『アオイホノオ』『ブルーピリオド』など名作が多い。だが、『かくかくしかじか』にはそれだけはない魅力があるという。

「本作には美大を目指して奮闘する主人公と厳しい先生による、“スポ根マンガ”としての魅力があります。それと同時に、回想形式で話が進むため、大人になるまで気付けなかった“恩師への感謝”というテーマも根底に流れています。美術に興味のない人でも、誰もが持つ“過ぎ去った時間に対する後悔”が丁寧に描かれているので、自分の親や母校の先生、先輩を思い出しながら、エモーショナルになれる大人向けの作品でもあります」 

 東村アキコによる人気原作が、どのように映像化されるのか。実写化に適した原作と信頼のおける座組だけに今から楽しみでならない。

■公開情報
『かくかくしかじか』
2025年5月16日(金)全国ロードショー
出演:永野芽郁、大泉洋
原作:東村アキコ『かくかくしかじか』(集英社マーガレットコミックス刊)
監督:関和亮
脚本:東村アキコ、伊達さん
音楽:宗形勇輝
配給:ワーナー・ブラザース映画
©東村アキコ/集英社 ©︎2025 映画「かくかくしかじか」製作委員会
公式サイト:kakushika-movie.jp
公式X(旧Twitter):@kakushika_movie
公式Instagram:@kakushika_movie

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる