『かくかくしかじか』は“実写化向き”の漫画だった 朝ドラヒロイン・永野芽郁との親和性
『海月姫』『東京タラレバ娘』などで知られる漫画家・東村アキコの『かくかくしかじか』が、永野芽郁主演、大泉洋共演で映画化されることが決定した。
原作は、東村が恩師との実話をもとにして描いた自伝漫画。永野が東村をモデルにした主人公・明子を演じ、大泉が“武闘派”の絵画教師・日高先生に扮する。
これまでも映像化の話があったものの、東村が「完璧な形での実現は不可能だろう」と断り続けていたという本作。だが、永野と大泉というキャスティングが映画化を決断させ、東村自ら脚本を執筆するに至った。
原作を愛読している編集部員に話を聞くと、本作はそもそも実写化向きの作品だったという。
「原作は、明子が漫画家として成功を収めてからの“現代パート”と、彼女が美大受験のために塾に通っていた時代の“回想パート”に分かれています。1人の女性の挫折と成長を描きながら、現在に至るまでを追いかけていく構成は、朝ドラに通じるものがあり、そういった意味でも、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』で物語の途中で漫画家になるヒロインを演じた永野さんが明子を演じるのは、とても良いキャスティングだと感じました。25歳という年齢も“現代パート”と“回想パート”の両方を違和感なく演じるのにちょうどいいですし、打たれ弱さと健気さを持ち合わせた明子のキャラクターは、どことなく『半分、青い。』で永野さんが演じた鈴愛に似ているように思います」
一方、恩師である日高先生を演じる大泉については、原作と一部異なる印象も受けたようだ。
「原作の日高先生は、今の時代ならパワハラと言われてしまいそうな言動をする、いわゆる“昭和オヤジ”です。日高先生のモデルとなった方の年齢的に、おそらく当時40代後半と思われますが、原作だけの印象でいうと、今の大泉さんよりももっと年配に感じられました。ただ、ユーモアも込みで日高先生を演じられる人ということで、大泉さんになったのかなと思います。主人公以上に誰が演じるのかが大切になるキャラクターなので、原作の東村さんたっての希望ということであれば、間違いないキャスティングではないかと思います」