『海に眠るダイヤモンド』における池田エライザの重要性 変化していく立ち位置と表情

『海に眠るダイヤモンド』池田エライザが要に

 この2024年は、主演を務めた『舟を編む 〜私、辞書つくります〜』(2024年/NHK BSプレミアム)での好演も強く印象に残っているが、やはり一番は、社会現象を巻き起こしたNetflixシリーズ『地面師たち』で演じた刑事役だろうか。池田は地に足のついた一般的な人物を自然体で演じられるいっぽう、トリッキーな役どころも抜群に上手い。近年の出演作でいえば、『真夜中乙女戦争』(2022年)で演じたヒロインがこれにあたるだろう。

 では、『海に眠るダイヤモンド』のリナは、これからどちらに転ぶのだろうか。進平と、彼との間にできた子どもと幸福な日々を過ごしていたかに思えたが、もう進平はこの世にいない。さらに、なんと鉄平とともに端島を去ったのだという。周囲の人々からしたら、“駆け落ち”である。そのあたりの行動の理由が最終回で明かされるはずで、この思い切った行動に出たリナの心情も描かれるはず。それ相応の動機がなければ、誰も納得しないだろう。果たしてそこにリナのどのような心の動きがあったのか。これが描かれるはずである。

 思えばリナはいつだって自分の感情をぐっと押さえ込んできた。本作において池田エライザがもっとも大きく変化するのは、やはりここからだろう。いまだ私たちが見たことのない彼女の声や表情が収められているものになるかもしれない。

■放送情報
日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:神木隆之介、斎藤工、杉咲花、池田エライザ、清水尋也、中嶋朋子、山本未來、さだまさし、國村隼、土屋太鳳、沢村一樹、宮本信子、尾美としのり、美保純、酒向芳、宮崎吐夢、内藤秀一郎、西垣匠、豆原一成(JO1)、片岡凜
脚本:野木亜紀子
演出:塚原あゆ子、福田亮介、林啓史、府川亮介
プロデュース :新井順子、松本明子
スーパーバイザー:那須田淳、岡崎吉弘
音楽:佐藤直紀
編成:中井芳彦、後藤大希
製作:TBSスパークル、TBS
制作協力:NBC長崎放送
©TBSスパークル/TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/umininemuru_diamond_tbs/
公式X(旧Twitter):@umininemuru_tbs
公式Instagram:umininemuru_tbs
公式TikTok:@umininemuru_tbs

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