『若草物語』涼、恵、芽のそれぞれの“分岐点” 律のプロポーズの時がついに訪れる
人生には、誰しもが避けられない分岐点がある。それは新たな一歩を踏み出す決意のときであり、時に大切なものを手放す選択のときでもある。そんな瞬間を見事に描き出したのが、涼(堀田真由)、恵(仁村紗和)、芽(畑芽育)の3人それぞれの分岐点をぎゅぎゅっと詰め込んだ日曜ドラマ『若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―』(日本テレビ系)第9話だ。
涼の葛藤、恵の新しい挑戦、そして芽の成長。それぞれが立たされた岐路の先には、ただの別れや再出発だけではなく、自分自身と向き合う時間が待っている。それでもなお前を向く3人の姿に、観る者の胸は熱くなる。最終回直前となる第9話は、彼女たちの人生における決定的な一歩をリアルに描き出していたのではないか。
涼が初めてプロットライターを務めたドラマ『恋愛遊覧船』は、無事にクランクアップを迎えた。役者やスタッフが一堂に会した盛大な打ち上げの中、かなえ(筒井真理子)から思いもよらない一言が告げられる。
「次の作品のプロットライターはもう決まっているの。これからは、自分の仕事は自分で見つけなさい」
その瞬間、涼の未来図は一変。翌日から無職となり、新人脚本家の厳しい現実を突きつけられる。
一方、就活シーズンを迎えた芽は、ファッションコンクールの優勝賞金を元手に、沼田灯司(深田竜生)と二人でブランドを立ち上げる夢を思い描いていた。しかし、沼田から「俺はそんな賭けみたいなことできない」ときっぱり断られてしまう。それでも、沼田のそばにいたい一心で、彼の弟・真琴(永瀬矢紘)の面倒を見ようと奮闘する芽。だが、真琴を連れて出かけた先のファミレスで予想外の災難が降りかかる。涼の声を聞いて涙する芽を見て、怖かった時、辛かった時に誰よりも真っ先に自分の味方をしてくれる人。それこそが、“家族”なのかもしれないと思わされた。
沼田が自分に特別な感情を抱いていないことを悟った芽は、彼への想いに区切りをつける。そして、コンクールの賞金100万円を使い、パリへの留学を決意する。最後までしっかりと沼田に向き合い、「ありがとう」と感謝の言葉を伝える芽の姿は清々しく、「この最後のやりとりで沼田が芽のことを好きになるのでは?」と思わされるほど。