白石麻衣、グループの顔から“令和のヒロイン”へ 『オクラ』での共闘が引き出す新たな顔
放送中のドラマ『オクラ~迷宮入り事件捜査~』(フジテレビ系)の物語は早くも佳境へ。スタートしてからしばらくのうちは、主演の反町隆史と杉野遥亮が演じるふたりの刑事の活躍と関係性の変化にフォーカスしていたものだが、ここ最近は彼らが所属する“チーム全体”の活躍を描くものにシフトしてきた。となれば自然と個々のメンバーに注目が集まるというもの。そんななか、クライマックスに向けて期待せずにはいられないのが女性刑事の結城倫子だ。演じているのは白石麻衣である。
本作は、長きにわたり未解決となっている“オクラ状態(お蔵入り状態)”の事件に刑事たちが挑む、ヒューマン・ミステリー・エンターテインメント作品だ。“捜査は足で稼ぐ”がモットーの飛鷹千寿(反町隆史)と、“タイムパフォーマンス重視”の不破利己(杉野遥亮)のコンビが物語の中心に立ち、このまま闇に葬り去られてしまうかもしれない事件を白日の下に引きずり出してきた。物語は、“人情深い昭和刑事”と“クールな令和刑事”のバディものから、「特命捜査情報管理室(通称:オクラ)」のチーム戦へ。手に汗を握る展開が続いているところである。
そんな本作で白石が演じる倫子は、「オクラ」に所属する“元ヤンキー”の刑事。腕っぷしにかなりの自信があり、かつて組織犯罪対策部に所属していた頃にヤクザ30人を病院送りにしたという噂があるほど。「オクラ」は他の部署で何かやらかした者たちの左遷先でもあるため、ケンカっ早い彼女がここにいるのには納得だ。しかしそれだけでなく、倫子は殉職した千寿の元相棒・結城真一(平山祐介)の娘でもある。特別な縁があって、彼女はここにいるのだ。こうして記したキャラクター設定が、この後の展開でどのように活きてくるのだろうか。
白石が乃木坂46の元メンバーであることは誰もが知っているだろう。2011年に発足した同グループは、いまでは国民的アイドルグループであり、白石はその中心的な存在であり続けてきた。グループを卒業してからちょうど4年が経過したところで、いまだ彼女のことを「俳優」ではなく「元アイドル」と認識する人々は少なくないと思う。繰り返すように、白石麻衣は国民的アイドルグループの中心メンバーだったのだから。
しかし卒業以降、彼女が非常にアクティブな俳優活動を展開していることも誰もが知っているはずだ。映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(2020年)でヒロインを務め(これは卒業前の出演作だが)、映画『嘘喰い』(2022年)、Netflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』(2023年/以下、『ゾン100』)でもヒロインのポジションに。とくに『嘘喰い』と『ゾン100』ではアクションも披露し、たくましきヒロイン像を立ち上げてみせた。