『おむすび』橋本環奈と仲里依紗の確執は解消するのか 朝ドラで描かれてきた姉妹の関係
NHK連続テレビ小説『おむすび』で、長年糸島を離れていた主人公・結(橋本環奈)の姉・歩(仲里依紗)が、何の連絡もなしに突然米田家に帰ってきて、結や両親の聖人(北村有起哉)と愛子(麻生久美子)は戸惑う。その上、結が仲良くしているハギャレン(博多ギャル連合)を否定する酷い言い方をし、結を傷つけた歩。
かつては仲睦まじい姉妹だった歩と結だが、神戸での震災を経て、確執が生じ、関係がこじれてしまった。近年の朝ドラでも、ヒロインとその姉妹について描かれることが多々あり、物語の重要な部分を担ってきた。10年前の『花子とアン』以降の作品から、印象的だった姉妹の関係を振り返ってみたい。
2014年度前期の『花子とアン』では、ヒロイン・はな(吉高由里子)には、かよ(黒木華)と、もも(土屋太鳳)という2人の妹がいた。山梨県甲府市の貧しい小作農家で生まれ育ったはなたちだが、父・吉平(伊原剛志)は長女のはなだけを女学校に入学させる。はなは勉学に勤しむことができたが、かよは生活のために製糸工場へ女工として働きに出て、ももは北海道に嫁ぎ、過酷な結婚生活を送る。
姉妹仲が悪かったわけではないが、心が折れるような生活を強いられる羽目になった妹2人は、やはり姉への羨ましさが募っていった。ヒロインと妹たちとの境遇の違いがあまりにも大きく、『花子とアン』は妹たちの不憫さが忘れられない朝ドラとなった。
2016年度前期の『とと姉ちゃん』は、ヒロイン・常子(高畑充希)が、亡父・竹蔵(西島秀俊)の遺言で、父の代わりになることを託され、「家族を守る」「妹たちを嫁に出す」「家を建てる」という目標を立て、“とと姉ちゃん”として奮闘する。
2人の妹・鞠子(相楽樹)と美子(杉咲花)、そしておっとりした母・君子(木村多江)の面倒を見続ける、父親代わりの常子。彼女は妹たちにとって、とても良い姉で、姉妹仲も良好な朝ドラという印象だったが、父の遺言は、ある種の“呪い”のように、常子を縛ることになり、目標を達成するには苦労が多く、少し気の毒に思ってしまった。
2018年度後期の『まんぷく』では、ヒロイン・福子(安藤サクラ)は3姉妹の末っ子。2人の姉・咲(内田有紀)、克子(松下奈緒)と仲睦まじく、ほほ笑ましい姉妹関係が描かれた。咲とは10歳、克子とは8歳も年が離れている福子だが、姉たちが嫁いだ後も、それぞれの家を訪ね、悩みを相談し合っていた。
悲しいことに、咲は早逝してしまうのだが、夢枕に立って、度々福子を励ましてくれるし、福子が戦争で家を失った際には、克子が自分の家に住まわせてくれた。全編を通して、明るい姉妹関係が印象に残った朝ドラとなった。