東京03、『鬼のドッキリで涙』で知った“編集”の凄さ 「テレビの見方が変わると思います」
DMM TVで『鬼のドッキリで涙』が配信中だ。主演は東京03、企画プロデュースと脚本は放送作家のオークラが手がけ、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)などで知られる藤井健太郎が企画を務めている。
小さな制作会社のディレクター(飯塚悟志)と放送作家(豊本明長)に1本のVTRを見せるプロデューサー(角田晃広)。VTRにはきしたかの・高野が過酷なドッキリに挑む様子が収められていた。プロデューサーはこのドッキリのVTRを地上波で流せるハートウォーミングなものに変えてくれという。はたしてどうなるか……という作品だ。
番組紹介には「ドッキリ? コント?」「確実に、誰も観た事のない新しいコメディ」とある。観ていてもまったく先が読めない『鬼のドッキリで涙』とはいったい何なのか。主演の東京03に語ってもらった。
飯塚悟志、藤井健太郎は「とにかく出す企画、仕掛けることが全部面白い」
――まずは今回の企画を最初に聞いたときの感想を教えてください。
飯塚悟志(以下、飯塚):「すごく面白そうだけど、上手くいくのかな?」と率直に思いましたね。上手くいったらめちゃくちゃ面白いんだろうけど、ドッキリ自体はガチなわけですから。
――きしたかの高野さんのドッキリはガチなんですね!
飯塚:ガチドッキリなんですよ。それがどういうふうに転ぶのかがわからなかったし、それを作り変えるコントパートがあるとは聞いていたのですが、どうするのかがわからない。「計算通りに上手くいくのか?」と思っていました。
豊本明長(以下、豊本):まさに飯塚さんが言ったとおりで、「面白そうなんだけど、どうなるんだろう、大丈夫?」という気持ちでしたね。完成形を見ないとわからないな、と思いました。
角田晃広(以下、角田):これほどやってみなきゃわからないものもないよな、というものでした。オークラさんもドッキリの結果を見ないと脚本が書けないわけですから(笑)。
――オークラさんとは、どのような打ち合わせがありましたか?
飯塚:「ガチのドッキリとコントの融合」としか聞いてないです(笑)。ガチのドッキリを見るのが第1話で、あれはすべてリアルなリアクションです。そこから徐々に台本が送られてきました。だから、視聴者の方たちと同じような感覚だと思います。「あ、こうなっていくんだ!」と収録のたびに驚いていました。
――現時点での手応えはいかがでしょう?
飯塚:まだ収録は途中ですが、相当面白いと思います。特に第2話から高野くんのドッキリの完結までは、「そうなるんだ!」という感じでした。
角田:すごかったですね(笑)。
――『鬼のドッキリで涙』はオークラさんと共に藤井健太郎さんが企画として参加されていますが、藤井さんのお仕事についてはどのような印象をお持ちですか?
飯塚:藤井さんは、過激とか悪意があるとか、そういう言葉が先立っているかもしれませんが、とにかく出す企画、仕掛けることが全部面白い。「これをこうしたらどうなるんだろう?」という探究心がすごく強い気がします。この芸人に、このドッキリを仕掛けたら、どういうリアクションをするのかというのも全部熟知した上で、突発的な出来事を楽しんでいますよね。あと、きめ細かい。今回の高野くんのドッキリもルールに穴がないんですよ(笑)。「そんなわけないじゃん」と思わせないんです。実は、藤井さんは東京03が『キング・オブ・コント』で優勝した2009年の僕らの担当ディレクターでした。そのときは藤井さんがどんな番組を作る人か知らなかったのですが、とにかくノンストレスだった印象が強かったです。賞レースはピリピリしているもので、ディレクターの言うことに違和感があるのが普通ですが、藤井さんはまったくそれがなかったんです。そういうところもきめ細やかだったと思います。