藤木直人、“原点回帰”のツアーを通して感じたファンへの感謝 「本当に幸せなこと」
俳優として活躍しながら、音楽活動も精力的に続けてきた藤木直人。アーティストとしてデビューしてから25周年を記念した今年は、尊敬してやまない布袋寅泰からの提供曲「BE FREE」をリリース。ライブハウスツアー『Naohito Fujiki Live Tour ver 14.0 BE FREE』も大盛況のうちに幕を閉じた。
CSホームドラマチャンネルでは『音楽デビュー25周年記念 藤木直人 LIVEセレクション』と題して、『Naohito Fujiki Live Tour ver 14.0 BE FREE』から藤木の52歳の誕生日となる7月19日に行われた豊洲PIT公演を10月に放送。また、11月以降もデビュー5周年ライブ、日本武道館での初のライブ、デビュー10周年ライブ、50歳の誕生日当日のライブを続けて放送する。
10代の頃、BOØWYの布袋寅泰に憧れてエレキギターを手にした生粋のギター小僧である藤木にとって、ギターサウンドを全開にした今回のライブツアーはまさに「原点回帰」といったところ。藤木自身も楽しさを存分に味わったという。
「なんとか無事完走できてホッとしています。今回はすごく楽しいツアーだったので終わってしまう寂しさもありました。やっぱりライブハウスという狭い空間でライブをするのが楽しかったし、バンドのメンバーも今回のライブは特に楽しいと言ってくれました。ライブ以外の部分でも、みんなで和気あいあいと旅をできたし、ライブハウスツアーだからこそなんだろうなと思います」
ファンの一体感も、ステージ上から感じることができた。長年、音楽活動を続けてきた藤木と、それを追い続けてきたファンの間には熱い信頼関係が生まれている。
「本当にありがたいことで、バンド経験もないまま音楽を始めて、拙いなりに回を重ねていく中で、ファンはファンで『この曲はこういうふうに乗ろう』と考えてくれて、それがどんどん浸透しているのを感じます。今回はタイトルに『音楽デビュー25周年』と付いていますが、僕は音楽ばかりやってきた人間じゃないので、胸を張って『音楽活動を25年やってきました』とは言えません。でも、(ファンの盛り上がりが)音楽を辞めることなくコンスタントにツアーを続けてきた表れなんだと思うと、そこはやっぱり嬉しいですね。ライブを観に来てくれた人の感想が『ファンがすごい』だったりするので(笑)、それはありがたいですし、誇らしいですね」
ホールでのライブではダンスやピアノを取り入れて観客を飽きさせないようにしていたが、今回はストレートなバンドサウンドのみで勝負している。
「曲をセットリストで並べたとき、ダンスもないし、ずっとギターを持ってるし、特に後半は僕のギターソロが多いから、ファンが飽きないかと心配になったりもしました。ファンが僕に求める音楽は、そんなにロック寄りじゃないかもしれないけど、甘えさせてもらっているというか。ライブの一番の目的は僕自身が楽しむことだと思っているので、自分がやりたいことをやるのを最優先にしています」
セットリストにはBOØWYの「JUSTY」も入っている。これも藤木の「やりたいこと」だった。
「トリビュート(2003年リリースの『BOØWY Tribute』)に参加させてもらって『JUSTY』をカバーしましたが、なかなか自分のライブでやる機会がなかったんです。やるなら布袋さんに曲を書いてもらった今回しかない。やっぱり『JUSTY』のイントロとかガットギターのソロは僕が高校時代に夢中になったものなので、35年経った今、ステージで弾いてるなんて、すげえな! と思いました。いつもツアーに向けてギターの練習をするのですが、今回はガットギターの練習もしたので『俺、ギター上手くなったな』と思いましたから(笑)」
定番曲の「パーフェクトワールド」を久々に演奏し、ファンが一緒にシンガロングする場面もあった。ステージ上の藤木はいろいろな思いを去来させながらファンの歌声を聴いていたという。
「僕は、コロナ禍はもっと早く明けなければいけないと思っていた人間なんです。だからこそ、声を出していいと言われるまで、ファンも思い入れがある『パーフェクトワールド』は絶対にステージでやらないと思っていました。正常に戻ってよかったと思うし、ライブハウスだから感極まって涙を流してくれる人の顔も近くで見られましたし。そういうシーンを作れてよかったと思います」