『スカイキャッスル』『夫の家庭を壊すまで』『嗤う淑女』 夏ドラマで異彩放った“悪女”たち
韓国で2018年~2019年に放送され、社会現象を巻き起こした大ヒットドラマ『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』の日本版リメイク『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)が、9月26日の放送でついに最終回を迎える。
全20話(配信では分割されて36話)のオリジナル版で描かれた重要な要素を取り入れつつ、全9話にギュッとまとめた、日本版ならではの魅力も感じられるドラマとなった本作。松下奈緒が演じる主人公・浅見紗英の家族を壊すような闇深き存在である、受験コーディネーターの九条彩香(小雪)がラストでどのような行動を起こすのか、彼女の秘密がどう暴かれるのかに期待が高まる。
九条は、紗英の娘・瑠璃(新井美羽)をマインドコントロールし、紗英との間に確執ができるように仕向けた。浅見家の前は、冴島家を破壊した九条。息子の遥人(大西利空)との間に深い溝ができた母親の香織(戸田菜穂)は、飛び降り自殺を図って亡くなってしまったが、これも九条が遥人をマインドコントロールしたことが原因だった。
九条の正体はラストで明らかになるはずだが、これまでのところ、“悪女”だと判断せざるを得ない。小雪による“怪演”は、不敵な笑みを含め、九条の隠された本心が知りたくてたまらなくなる吸引力がある。
今期の夏ドラマには、ほかにも“悪女”キャラが何人も登場したことで話題を呼んだ。『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京系)は、LINEマンガにて配信と同時に総合ランキング1位を獲得した、赤石真菜による同名のフルカラー電子漫画が原作のドラマで、松本まりかと野波麻帆がそれぞれ“悪女”キャラを体現した。
『夫の家庭を壊すまで』にマッチするSARMのED曲 松本まりかの復讐劇から目が離せない
『夫の家庭を壊すまで』(テレ東系)で松本まりか演じる“サレ妻”の復讐劇から目が離せない。数あるリベンジ系不倫ドラマの中でも、本作…
夫・勇大(竹財輝之助)が、15年にも渡って不倫を続けてきたと知った妻・みのり(松本まりか)は、離婚するだけでは絶対に許せず、復讐計画として、不倫相手・理子(野波麻帆)の息子・渉(野村康太)を利用することに。夫を純粋に愛してきたのに、酷い裏切りを知ったみのりは、一気に憎悪が募り、悪女になりきって復讐を仕掛けていく。
みのりは“悪女”キャラではあるが、彼女と同じ目に遭ったとしたら、善人ではいられないのは当然だと思うし、悪女であっても共感してしまう。ただ、利用される渉のことを思うと、やはり“悪女”要素は否めない。
一方、理子は自分に正直に生きているのかもしれないが、妻のいる勇大と15年も不倫を続ける闇深い一面がある。だが、どう考えても一番悪いのは、2つの家庭を持ち、長い年月の間、二重生活をしてきた勇大。決して許されない罪だ。
主演の松本、そして野波は、衝撃的な展開が描かれた本作で、違う立場から“悪女”キャラを熱演した。コメントによると、2人とも心に重いものを感じながら、演技に没頭したという。そんな2人だからこそ、視聴者を惹き付けたのだろう。