『ギークス』西条の“お隣さん”安達の意外な正体が明らかに 白洲迅の見事な演技の切り替え
ドラマが一気に加速するポイントがある。それは、登場人物の意外な正体が明かされる瞬間だ。木曜劇場『ギークス~警察署の変人たち~』(フジテレビ系)第5話は、まさにそんな劇的な転換点を迎えた。
もちろん今回も、始まりはいつもの居酒屋から。小鳥遊署の鑑識官・西条唯(松岡茉優)、医務室勤務の吉良ます美(田中みな実)、交通課の基山伊織(滝沢カレン)の今日の話題は、小鳥遊市市長・馬場園祐樹(ウエンツ瑛士)について。彼は、論理的でありながらも尖った言動で話題を呼び、SNSで一躍人気者となった人物だった。
馬場園は、常に自身の姿を記録する若手カメラマン兼ディレクターの佐橋勝也(岩井拳士朗)を側近のように同行させ、市民の支持率アップを狙った“やらせ動画”を街中で所構わず撮影していた。その様子を見守る警護担当の芹沢直樹(中村蒼)らも、心中穏やかではない。
SNSで瞬く間に拡散される一方で、過激な発言ゆえにアンチも多い“癖強”な市長役を、木曜劇場初出演のウエンツ瑛士が見事に演じ切っていた第5話。自立型老人ホームの建設を公約に掲げる馬場園は、次なる一手として反対派議員との公開討論会を開くと宣言。その情報を耳にした小鳥遊署署長・御手洗智(徳井優)は、討論会までの期間、署をあげて馬場園の警護態勢を強化することを決定。刑事課の芹沢たちが中心となって警護にあたることになったが、なぜか医務室勤務の吉良も医療面でのサポート役として急遽、この特別任務に駆り出されることになった。
馬場園の動画チャンネルの撮影現場で警護を行う芹沢たち。そんな中、「元気そうだな」と、馬場園は吉良に声をかける。実は馬場園は以前医療業界に身を置いており、吉良とは研修医時代の同期だったのだ。2人の目が合った瞬間、かつての記憶が鮮明によみがえる。若かりし日、彼らは医療現場での体制に疑問を抱き、熱い思いを胸に「一緒に医療業界を変えよう」と固く約束し合った仲間だった。
しかし、今や2人とも医療の第一線からは離れた道を歩んでいた。「昔は暑苦しいやつだったんだけどねぇ」と吉良がつぶやく。その言葉には懐かしさとともに、どこか寂しさや後悔の色が混じっているようだ。
一方、署に戻った西条は、自分の携帯に届いた新着メッセージに目を向ける。隣に住む安達順平(白洲迅)からの花火大会への誘いだった。仕事優先で私生活を後回しにしがちな西条は、一度は断ろうとする。しかし、安達が提案する「マンションの屋上で酒を飲みながら花火を見る」というアイデアに、思わず心が揺らぐ。結局、OKの返事を送ってしまう西条。その後も、安達から再三送られてくるメッセージに、普段は冷静な西条の心が少しずつ乱れていくのだった。
そんな中、馬場園の事務所に、不穏な影が忍び寄る。何者かが侵入し、パソコンや引き出しの書類を荒々しくあさった形跡が残されていた。その時、背後から突如として現れた覆面の男が、馬場園に殴りかかる。不意を突かれた馬場園は、抵抗する間もなく頭にケガを負ってしまう。