木南晴夏の“姉要素”が生む信頼感 『ビリオン×スクール』芹沢は“ムラサキ”のような役柄に?

木南晴夏の“姉要素”が生む頼もしさ

 明るく活発な印象があるが、時に心の闇を見せるような隙のない演技力で視聴者を魅了する木南晴夏。彼女の出演作を想像してみてほしい。きっと人それぞれ、印象に残っている作品が異なるはずだ。

 2023年10月期に『セクシー田中さん』(日本テレビ系)で主演を務めた木南だが、映画『20世紀少年<第2章> 最後の希望』でヒロインの友人役を演じ、『せいせいするほど、愛してる』(TBS系)で第5回コンフィデンスアワード・ドラマ賞の助演女優賞を受賞するなど“助演”としての存在感もとても大きく、ここ数年の出演作は途切れることなく続いている。そして7月5日からは山田涼介とタッグを組む学園コメディドラマ『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)が放送される。

 そんな彼女の代表作とも言える作品は、『勇者ヨシヒコ』シリーズ(テレビ東京系)ではないだろうか。勇者ヨシヒコ(山田孝之)とともに魔王を倒すことを目指して旅をするパーティーに加わった木南演じるムラサキ。好奇心旺盛で無邪気なヨシヒコや頼りにならない仏(佐藤二朗)、やる気満々のダンジョー(宅麻伸)にツッコんだり、変な魔法ばかり習得するメレブ(ムロツヨシ)の実験台にされたり……と忙しいキャラクターだ。おしとやかとは言えない言葉遣いで、常にイライラしているようなところも愛らしく、木南が演じるキャラクターの中でもかなり砕けた人物と言える。自身も変顔を披露するなど親しみやすい雰囲気を作り出しており、今もなおムラサキのファンである人も多いことだろう。

 近年の活躍を振り返ってみると、『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)では、何度も人生をやり直している近藤麻美(安藤サクラ)の親友・美穂役を務めた木南。麻美の人生がどんどんアップデートしていく中で、変わらず同じ日々を過ごす、ごく普通な30代を演じ切った。また、名言が溢れる『おいハンサム!!』(東海テレビ・フジテレビ系)では、伊藤家三姉妹のうち30代前半、会社でも中堅になってきた長女・由香役に。普段考えているはずだけど、忘れてしまっているような心の声まで描かれているこのドラマは、とにかく台詞が多いのだが、木南にはそれが似合う。『ブラッシュアップライフ』についてのインタビューでも「会話劇が好き」と語る(※)ほど、台詞が多くて説明的な役柄も自然にこなすのだ。

木南晴夏が語る、『ブラッシュアップライフ』の“没個性” 「消そうとしても残るのが個性」

現在放送中の日本テレビ系新日曜ドラマ『ブラッシュアップライフ』で、安藤サクラと夏帆と一緒に仲良し3人組を演じている木南晴夏。何度…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる