『虎に翼』“梅子”平岩紙と家制度の戦いが決着 『ブギウギ』菊地凛子がサプライズ登場!

『虎に翼』平岩紙と“家制度”の戦いが決着

 誰もが梅子を頼り、梅子に依存しながら、勝手気ままにそれぞれの自由を主張する。子どもたちのために我慢する梅子へのとどめの一撃が、光三郎の背信だった。母として無償の愛を注いだことも、檻の中の自由でしかないのか。妾の存在は跡継ぎを産み、家を存続させるため社会的に黙認されていた。梅子にとって手痛いしっぺ返しであり、一個人が立ち向かう相手として「家」はあまりに強すぎた。聡明な梅子は、愛する光三郎がもはや自分の元にないと知った瞬間、長年の苦闘が徒労に終わったことを悟ったに違いない。

 第13週「女房は掃きだめから拾え?」は梅子が家を捨てる話である。そこには、女性を縛り付ける制度への怒りが込められている。相続を放棄した梅子は「かよわいご婦人」ではなく、梅子自身がそうなることを拒んだ。再開した「竹もと」で語り合う寅子と梅子の姿に、女子部の仲間と議論した日々がなつかしく思い起こされる。母の形見の着物を諦めて、離婚成立を優先すべきか。当時、女性は無能力者とされていた。母であることを手放し、円満解決を優先したことで梅子は無一文に近い状態になった。けれども、梅子の表情は明るい。長い闘いの果てに、梅子は自らが望む自由、自分自身の人生を手にした。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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