『虎に翼』伊藤沙莉の“スンッ”が再び炸裂 謙虚な寅子が失ったのは威勢の良さ?

『虎に翼』伊藤沙莉の“スンッ”が再び炸裂

 その夜、自宅へと戻った寅子は今日起こったことを家族に説明すると、はる(石田ゆり子)から「あなたが謙虚だなんて言われる日が来るとはね」と笑われる始末。しかし、唯一花江(森田望智)の顔からは笑顔が消えていた。それに気づいた寅子が「どうしたの?」と相談に乗ると、花江は直道(上川周作)の仇でもあるアメリカ人と仕事をしている寅子に対して複雑な気持ちであったことを明かす。家族を戦争で失ってしまった人にとって、戦後の激しい変化についていけない花江のような人は大勢いたのだろう。「無理に笑うことないから」と優しく寄り添う寅子の優しさが身にしみる。

 その後も頭の中では久藤の“謙虚”という言葉が頭から離れずにいた寅子。考え事をしながら廊下を歩いていると、偶然にも桂場(松山ケンイチ)と出くわす。寅子は自分を採用してくれたお礼を伝えると、桂場は口をへの字にしながら、「君もそういう薄っぺらなことを言うのだな」と辛辣な言葉を投げかける。久藤と同様に桂場も寅子に威勢の良さが失われていることに違和感を覚えていたのだ。

 すると、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)と日本の間にあるギャップを埋めるために開かれている民法改正審議会の委員の1人である神保(木場勝己)が登場。桂場によると、政治学の権威で、恩師でもあるという。寅子を見るやいなや、「御婦人がいると空気が華やぐね」と発言する神保。その発言からなんとなくスタンスが想像できたが、やはり的中した。神保は古き良き日本の美徳を重視する保守的な考えを持っており、久藤の改正案には断固反対の立場だったのだ。

 神保から民法に関する意見を求められ、ハッとした表情を浮かべる寅子。この辺りで寅子の本領発揮といきたいところだが、果たして……。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜~金曜8:00~8:15、(再放送)毎週月曜~金曜12:45~13:00
BSプレミアム:毎週月曜~金曜7:30~7:45、(再放送)毎週土曜8:15~9:30
BS4K:毎週月曜~金曜7:30~7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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