『虎に翼』伊藤沙莉の“スンッ”が再び炸裂 謙虚な寅子が失ったのは威勢の良さ?

『虎に翼』伊藤沙莉の“スンッ”が再び炸裂

 久藤(沢村一樹)に気に入られ、司法省で働くことになった寅子(伊藤沙莉)。『虎に翼』(NHK総合)第47話では、久しぶりに寅子の“スンッ”が炸裂する。

 寅子が任されたのは、民法親族編と相続編の法改正の仕事。「家制度」「戸主」「家督相続」が廃止され、婚姻や相続の場面において女性の地位向上が記載されている新しい民法案を見た寅子は、「憲法に書かれている全ての国民が平等というのはこういうことなのかと」と当たり障りのない言葉が口から出てくる。

 それを聞いた“ライアン”こと久藤から「君、思ったより謙虚なんだね」と言われてしまう。「心からそう思うのか?」という久藤の質問にも、寅子ははっきりと答えることができない。まさかあの寅子が謙虚と言われる日が来ようとは……。

 本来の寅子であれば「少しずつでも前進」という発言は出てこないはず。むしろ「はて?」と民法改正案に突っかかっていっただろう。しかし、一度は弁護士を離れ、今は大切な家族も抱えている寅子は、慎重になりすぎるあまりいつもの威勢の良さが失われていた。久藤はそんな寅子を見抜いていたのだ。最初こそ胡散臭さを感じていたが、実は人間の本質を見極められる厄介なクセ者タイプなのかもしれない。穏やかな口ぶりで寅子を詰めていく沢村一樹のつかみどころのない演技はお見事だった。

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