『Destiny』目まぐるしく変わる石原さとみの表情に魅了される 意外な黒幕の存在も明らかに
野木浩一郎(仲村トオル)の自宅放火事件の真相に近づく事実が描かれ、意外な黒幕の存在も明かされた『Destiny』(テレビ朝日系)第7話。
今話は「奏、逃げない? 逃げない? 2人で」という病床の真樹(亀梨和也)からの提案に乗っかり、人生で2度目の罪を犯す奏役を演じる石原さとみの目まぐるしく変わる表情に特に惹きつけられた。
病室を抜け出し長野行きのバスに乗った真樹に遅れて合流する奏の、静かな覚悟が滲む表情。バスで真樹の隣に移動し、彼の体調を気遣い肩を貸しながらも、全面的に彼がやろうとしていることを受け入れているわけでも、賛同しているわけでもない、頑なさも残る表情。
学生時代と同じく車内からふたりして夜空を見上げるシーンは、何だか懐かしいような思いを抱いてしまった人も少なくないのではないだろうか。外的要因は何もかもが当時と同じだからこそ、自分と今隣り合っている相手の気持ちや置かれている状況だけが変わってしまったことがより際立ち、虚しさにも襲われる。今からどんなにあの頃をなぞり直したって、もう元通りにはなれない関係性や巻き戻せない時間に途方もない気持ちになる。
それでも静かにその“変わってしまったもの”を受け入れ、もう取り戻せないあの頃が一番幸せだったと漏らす奏はとても綺麗だった。それを聞くことができた真樹もどこか許された気がしただろうし、少し肩の荷が降りた気持ちになったのではないだろうか。
当時は無邪気に言った「死ぬ時は一緒。奏と一緒なら死んでもいいな」という言葉を今の真樹がなぞる。そうやって真樹も、なぜかいつもおかしな方へおかしな方へ転がっていってしまう自身の運命を、静かに受け入れているようにも思えた。